戸栗美術館について


美術館概要

戸栗美術館外観公益財団法人戸栗美術館は、創設者戸栗亨が長年に渡り蒐集しました陶磁器を中心とする美術品を永久的に保存し、広く公開することを目的として、1987年11月に旧鍋島藩屋敷跡にあたる渋谷区松濤の地に開館しました。コレクションは伊万里、鍋島などの肥前磁器および中国・朝鮮などの東洋陶磁を主体として約7000点を所蔵しています。日本でも数少ない陶磁器専門の美術館として活動し、年4回の企画展を開催しています。


創設者 戸栗亨と鑑賞陶磁

当館創設者 戸栗亨は大正15年(1926)、山梨県の山あいの町・南部町に生まれました。19歳で終戦を迎えた後は家業の土木建築業や農作業を手伝いながら、材木業を始めました。終戦後の生活の中、日本が復興の途を辿るのにつれ、電化製品が普及し、自転車がオートバイに、農耕機具の鋤鍬が耕運機に変わっていくさま、そして先祖伝来の民具が置き去りにされていくさまを見て、戸栗は一念発起します。
 こういう時代の大きな変わり目だから、あと数年もたつと、古い民具は影も形もなくなるだろう。ぜひとも『民具館』のようなものをつくって後世に残そう――
「とにかく古い物は何でも」収集し始めた戸栗でしたが、40歳前後、昭和40年代には、信頼のおける美術商との出会いもあり、次第に陶磁器の魅力に惹かれていきます。もともと「用の美」を志向し、無名の工人により作られたという意味で古民具と通じ合うものがあったようです。中でも、興味の対象は「鑑賞陶磁」に向けられていきました。陶器の独特の暖かい風合もよく好みましたが、「焼き物は幅広く集めると、将来、やりきれなくなる」という周囲からの助言もあり、磁器、中でも中国や朝鮮、伊万里焼、鍋島焼を主眼とした収集活動に移っていきます。
 当初から収集品の公開への思いは強く、収集対象の主眼が鑑賞陶磁へ移っていったことで、若き日の夢は美術館の建設へと膨らんでゆきます。「それならいい物を見せたい」と、収集品の質には強いこだわりをみせました。とくに肥前磁器は、一点一点の質はもちろんのこと、江戸時代を通観しうる内容となり、質・量ともに一大コレクションとなりました。

開館当時のごあいさつ

昭和20年8月、第二次世界大戦終結と共にアメリカを初めとする西欧文化が次々に渡来し、正に幕末の鎖国から解放された時を思わせる第二次文明開化の幕開けとなりました。
終戦を迎えた当時、私は山梨の田舎におりましたが、社会変動、物資不足が続き家業の土木建築業どころではありませんでした。日本が復興の途を辿るのにつれ、身辺の環境が変わっていく事には目を見張るものがありました。電化製品が普及し始め、自転車がオートバイに、農耕具の鋤鍬は耕動機に替わり、機織機や生活用具など先祖伝来の民具は置き去りにされがちでした。
此の時私は、失われていくものを大切に保存しなければ、将来の子供達は昔の文化や生活様式を知らなくなると思いました。今考えると「古民具館」の様なものを作り、先人の暮らしの有様を次の世代に伝えるよすがとしようと思ったのです。一生懸命資料を収集し、いつの日か一般公開したいと考えるようになりました。 昭和27年に上京し、殖産住宅の建築業者になりました。当時の注文建築の殆どは和洋折衷で、住生活の面でも従来の建築様式から変わっていきました。仕事の傍ら十年間余り古民具や古道具を買い求めました。この間に得たものは、玉石混交といった具合で、蒐集の世界の難しさを勉強させられました。もとより浅学微力な私の力では失敗の繰り返しでした。
昭和40年頃、後藤恒雄氏や下條啓一氏と知り合いました。古美術に造詣の深いお二人の影響で、国内はもとより海外まで足を運び、鑑賞陶磁器を主力に蒐集するようになりました。お二人との出会いが、今日の財団法人戸栗美術館の主柱となり、又多くの方々のお力添えを得て、四十有余年の集成として、ここに開館する運びとなりました。
若き日に夢見た、後世への文化遺産伝承の一助となれば、望外の幸せでございます。

昭和62年11月

財団法人戸栗美術館



当館のシンボルマークとロゴマーク


染付 竹虎文 捻花皿
伊万里
江戸時代(17 世紀中期)
口径 19.6 ㎝

当館創設者 戸栗亨は大正15年、1926年寅年生まれです。
そのため、戸栗は虎が描かれた焼物が大好きで、当館にも多数所蔵しています。開館の際、 当館のシンボルマークに選んだのが古伊万里の「染付 竹虎文 捻花皿」です。

一方、ロゴマークは北村西望先生(1884~1987)に依頼して書いていただきました。 北村西望先生は長崎県出身で、日本を代表する彫刻家で文化功労者、代表作に長崎平和祈念像があります。北村先生の晩年に親交をもった戸栗は、先生直筆の戸栗美術館名に感無量であったと述べています。

このように、当館のシンボルマークとロゴマークには創設者 戸栗亨の美術館への強い思いが込められています。


施設案内

案内図のカメラ画像 をクリックすると館内画像が表示されます。

施設案内

2F展示室

2F展示室
企画展会場。
※当館にはエレベーターはございません。ご了承ください。

やきもの展示室

やきもの展示室
やきもの展示室では企画展に合わせて、現代磁器作家の個展や当館所蔵陶片の小展示を行なっています。


ラウンジ

ラウンジ
やわらかな木漏れが差し込むラウンジ。ゆっくりと休憩を取りながら、お庭を眺めることができます。
また、過去の展示で配布した解説シート・展示パネル資料集・アートサークル会報のバックナンバー(最新号を除く)もご用意しております。どうぞお手にとってご覧くださいませ。
また、ドリンクカウンターにてお飲み物の販売も致しております。(セルフサービス)合わせてご利用ください。

<飲食について>
当館では、館内でのお食事は禁止させて頂いております。恐れ入りますが、ご理解の程、お願い申し上げます。

お庭

お庭
ラウンジから四季折々のお庭の景をお楽しみ頂けます。
※写真は2016年5月撮影。画面右奥の藤の盆栽が満開を迎えています。
※お庭に出る事はできません。

ミュージアムショップ

ミュージアムショップ
当館オリジナルグッズや図録、やきもの展示室の展示にあわせた現代磁器作家の作品を取り扱っております。
また、一般書店ではあまり見る事のできないやきものに関する書籍も取りそろえております。