月曜講座

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2019/11/11)


 2019年11月11日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

 「古伊万里鑑賞会と展示解説会」と題した今回の講座では、参加者の皆様には2つのグループに分かれていただき、入れ替わり制で作品のご鑑賞と展示解説にご参加いただきました。

○「古伊万里鑑賞会」(14:10~14:40/14:50~15:20)
 ラウンジでは、当館所蔵品を実際にお手に取ってご鑑賞いただきながら、作品の扱い方や見方、そして作品のつくられた時代背景などをお話しいたしました。
 今回取り上げた作品2点は、ともに型を使って成形したもの。轆轤(ろくろ)使用の有無による技法の違いが、裏面の高台の構造や、生地の厚みなどにあらわれた好例です。学芸員が説明するとともに、実際の作品に触れ比べていただきました。
 最初は恐る恐るといったご様子の皆様でしたが、気になる形を指でなぞってみたり、触れながらどんな料理を盛るか考えてみたりと、次第に鑑賞に没頭なさったご様子でした。最後には写真撮影のお時間を設け、めいめいお気に入りの作品をご撮影いただきました。


(左)染付 梅文 法螺貝形皿(17世紀中期)
(右)色絵 鳳凰丸文 八角鉢(17世紀末~18世紀初)

○「展示解説会」(14:10~14:40/14:50~15:20)
 展示室では、現在開催中の展覧会『たのしうつくし 古伊万里のかたちⅠ』の展示解説を行いました。
 まず、古伊万里がどのようにして成型されるのか、技法についてご説明させていただいた上で、個々の作品をご鑑賞いただきました。古伊万里は、国内のみでなく、その多くが海外へも輸出されたという歴史があります。国内と海外でのうつわの使われ方の違いや時代背景など、パネル写真を交えつつお話しいたしました。特に、作品鑑賞と前後することで、古伊万里鑑賞のポイントをより深めていただけたことと思います。
 こちらの解説会も、和気あいあいとした雰囲気の中で進行し、ご感想や、ご質問が飛び交う場面も見られました。



 今回皆様にお手取りいただいたものの中には、現在の展覧会の中で陳列中の作品と同様のものもありました。展示室とお手元と、それぞれでのご鑑賞から、新たな作品の魅力を発見していただけましたら幸いです。お客様からは、「実際に手に持って、厚みや形状を確認することで、展示解説で伺ったことが良くわかりました」、「作品に触れて、間近で見ることができて感激したし、緊張もしました」、「成形技法についても写真を交えて説明していただいて、よくわかりました」などのお声をお寄せいただきました。

○自由観覧 (15:20~17:00)
貸し切りの館内で、引き続き展覧会をご覧いただきました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。次回もどうぞお楽しみに。


アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2019/7/9)


2019年7月8日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」の公開版として、『青のある暮らし』特別講演会を実施いたしました。

○赤木美智氏による講演「江戸の暮らし―季節を楽しむファッションとグルメ―」(14:05~15:50) 太田記念美術館 主幹学芸員の赤木美智氏を特別講師にお招きし、「江戸の暮らし―季節を楽しむファッションとグルメ―」と題した講演会を開催しました。戸栗美術館・太田記念美術館にて開催中の連携企画展『青のある暮らし』の担当学芸員であられる赤木氏は江戸の浮世絵史、風俗史を中心にご研究されており、これまでに『大江戸ファッション事始め』や『国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃』など、話題の展覧会を手がけていらっしゃいます。

まずは太田記念美術館のご紹介からはじまり、浮世絵の基本事項をレクチャーしていただきました。その後、今回の連携企画展のポイントである「青」の変遷についてお話しいただき、四季に見るファッションとグルメへ話題が移ります。1月から12月まで、豊富な画像資料と共に、服装、髪型、持ち物、食事の場面に登場するうつわや、そこに載せられた食べ物など、様々な要素を抽出しながら、浮世絵に描かれた年中行事を紐解いていきました。

休憩を挟み、後半は八百善などの江戸の食事処の様子や、花魁のファッションの話題へ。さらに、江戸時代に藍染が流行したことで、浮世絵にも青が多く登場することから、藍染についてのお話もあり、実際に赤木氏が染めたTシャツもご披露いただきました。


江戸の暮らしをご紹介いただくなかで、浮世絵の魅力をたっぷりお話しいただいた90分となりました。お客様からは「普段みているやきものがどう使われていたのか、浮世絵でみることができてイメージが膨らみました」、「江戸の庶民が、季節の行事やファッション、食べ物を楽しんで暮らしている様子が浮世絵から伝わってきました」、「浮世絵の見方をいろいろ知ることができて楽しかった」などのお声をお寄せいただきました。



○自由観覧 (15:50~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『青のある暮らし―江戸を染める伊万里焼―』をご覧いただきました。また、企画展担当学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。次回もどうぞお楽しみに。


アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2019/04/20)


2019年4月15日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○中島誠之助氏による講演「古伊万里あれこれ」(14:05~15:15)
 古美術鑑定家の中島誠之助氏を特別講師にお招きし、「古伊万里あれこれ」と題した講演会を開催しました。中島氏からは当館創設者 戸栗亨の代から50年来のご厚誼を賜っており、今回の講演会が実現いたしました。

 和やかな雰囲気で始まった講演会では、茶道具商のご尊父のもとで過ごされたご幼少の頃のエピソードから、独立して麻布に茶道具屋を構えられた後、当時は認知度の低かった錦手以外の古伊万里との出会い、そして、青山に染付専門の古美術店「骨董屋からくさ」を開店されてからモダンリビングの広まりに連動した古伊万里染付の普及、テレビ番組へのご出演エピソードや当館創設者 戸栗亨との思い出にいたるまで、美術品とともに歩まれた中島氏の半生をご紹介いただき、その中で実体験として培われた鑑賞観をご披露いただきました。とくに、美術品を観るにあたっては、まずは感動すること、その後知識をつけることが大切であるということ、また、気合が入っている、真似ができない、仕事が逃げていない、という3つが揃った作品が「いい仕事」である、というお話には、皆様深く感銘を受けたご様子でした。

非常に密度の濃い内容でしたが、情感と人間味あふれる語り口に引き込まれ、あっという間に過ぎ去った1時間あまりとなりました。お客様からは「骨董のお話、ご自身のお話、時代背景、すべて大変興味深く拝聴しました。心に残る数々のお言葉を聞けて本当に良かったです」、「いい仕事とはでお話し頂いた3点、何事にも通ずる事と思いました。胸にしみてお聞きしました」、「骨董商としての貴重な体験談など、お人柄がわかるお話がとても楽しく、目利きとしての大切な条件など、とてもためになりました」などのお声をお寄せいただきました。



○自由観覧 (15:30~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の「佐賀・長崎のやきものめぐり」をご覧いただきました。早速、中島氏のご講演でご紹介いただいた美術鑑賞の肝を実践されていらっしゃるお客様も多く、美術鑑賞がさらに楽しくなったとのお言葉を頂きました。
月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。次回もどうぞお楽しみに。


アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2019/02/18)


2019年2月18日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○望月優氏による作品紹介、花濃(はなだみ)体験(14:05~16:00)
 当館1階やきもの展示室にて第4回目となる個展を開催中の望月優氏を特別講師にお招きし、作品紹介と花濃の体験を行いました。
 まずは、今展の作品紹介から。これまで、カケラシリーズや白磁を中心に制作されてきた望月氏ですが、今回はそれらに加えて、「沢山の色を使ったインパクトのある作品を作りたかった」という言葉どおりオブジェ風の作品や具濃(ぐだみ/上絵付け)を施した色絵作品を多数出展されています。その中から全面に具濃した花瓶について、細い口に指一本を入れ、外面に触れないよう、少しずつ回転させながら絵付けをしたとのお話があると、お客様からは驚きの声があがっていました。また、上絵付けの場合は焼成回数も多く、手塩に掛けて制作されたご様子が窺えるお話には、皆様深く聞き入っておられました。
 望月氏による紹介後は、実際に作品を手に取りながらの質疑応答の時間に。上絵具を塗る順番や360°の器面にバランス良く絵付けをするコツ、使っている筆の種類など、活発に質問が飛び交いました。今後の制作の方向性に関する質問に対しては、綺麗さの中にも人の手仕事が見えるうつわや、暮らしのうつわの中で遊びや粋を表現していきたいというお答えで、皆様の注目が一層高まったご様子でした。
 その後、休憩を挟み、後半はいよいよ体験へ。絵具を擦るところから、間近で実演が見られる貴重な機会となりました。そして、望月氏より濃赤や薄赤を均一に塗る基本の塗り方から、グラデーションをあらわす花濃の技法をレクチャー。筆の角度を変えることで、絵具の量を調節するのがポイントといいます。しかし、実際に筆を手に塗ってみると、輪郭線からはみ出してしまったり、かすれてしまったりと難しく、皆様集中して黙々と制作に取り組んでいらっしゃいました。
 今回上絵付けを行った小皿と猪口は、望月氏によってあらかじめ梅と鶯が線描きされていたため、はじめは皆様同じデザインからのスタート。しかし、梅の花や鶯の配色、余白に描き足す文様などを考えながら、濃赤や薄赤、花濃を駆使して塗っていくことで、思い思いの作品に仕上げられていました。うつわは後日、望月氏によって焼き付けを行います。
 参加された方からは「望月先生の説明が分かりやすく楽しかった」「花濃の技法だけでなく色の作り方も知ることができて興味深かった」「初めての体験でしたが、とても楽しかったです。筆遣いがいかに難しいかよく分かりました」などのお声をいただきました。



○自由閲覧(16:00~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『初期伊万里―大陸への憧憬―展』をご覧いただきました。また、企画展担当学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。


アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2018/11/12)


2018年11月12日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○前坂規之氏による古美術商のお仕事についての講話、展示解説(14:05~16:00)
 古美術商・前坂晴天堂店主の前坂規之氏を特別講師にお招きし、ご講演いただきました。
 前半では、古美術商のお仕事についてお話しいただきました。前坂氏が古美術商を目指されたきっかけから、どうしたら古美術商になれるのか、どこから仕入れ、どこで売るのかなどなかなか知る機会の少ない古美術の流通の仕組みを解説。また、古美術店に行ってみたいけれど、敷居が高いという方向けに、古美術商の立場から初めて行く時のポイントも教えていただきました。前坂氏は物を見る眼だけでなく、信頼できるお店や店主との出会いも大切だといいます。
 後半は、現在開催中の『鍋島と古九谷-意匠の系譜-展』に出展中の作品を解説。古美術商の視点から捉えた鍋島と古九谷の見どころをお話しくださり、同じ作品を通してでも、学芸員の展示解説とは一味違った内容に。手鉢の希少性の高さや、同じ鍋島の七寸皿でも僅かに異なる手取り感など、日々沢山の作品と接する前坂氏ならではのお話に皆さま聞き入っておられるご様子でした。お客様より作品の値段や評価の変動についてのご質問がいくつかございましたが、値段や評価という指標はあくまでも景気やその時の流行によって変わっているだけで、作品の魅力はいつの時代も変わらないという前坂氏のお言葉は印象深く響いたことと思います。
 前坂氏の柔和なお人柄もあり、普段縁遠い古美術商というお仕事に親しみを感じていただけた講座となったかと思います。参加された方からは「古美術商のイメージが変わりました」「商売であっても愛情を持ち、古い美術品を大切にしてゆく姿に感動を致しました」「学芸員さんの話とは別の視点もありよかったです」などのお声をいただきました。



○自由閲覧(16:00~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『鍋島と古九谷-意匠の系譜-展』をご覧いただきました。また、企画展担当学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。


アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2018/08/20)


2018年8月20日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○たなかふみえ氏による作品紹介、濃(だみ)と掻き落とし体験(14:05~15:40)
当館1階やきもの展示室にて第5回目となる個展を開催中のたなかふみえ氏を特別講師にお招きし、作品紹介、濃と掻き落としの体験を行いました。
今展では「花ごよみ」と題し、1年間12ヶ月の花を描いた作品を出展中のたなか氏。その中から、8月・朝顔と11月・菊を描いたお皿をご紹介いただきました。パターン化された朝顔の図案は伊万里焼の蕎麦猪口などにみられ、それらは染付のみで描かれていますが、そこにあえて少し上絵を施すのがたなか氏の作品のポイント。菊の花弁は墨はじきによるもので、輪郭を持たないことにより、よりデザイン性が強められています。
解説後は、実際に作品を手に取りながら、質疑応答の時間に。染付の濃度による色の使い分けや、たなか氏が使用している材料や道具など作り手ならではのお話が満載でした。
その後、休憩を挟み、後半はいよいよ体験に移ります。
たなか氏が各テーブルを回り、間近で濃の実演が見られる貴重な機会となりました。大きな濃筆から呉須(ごす)が流れ、表面張力を利用しながら、塗り埋めていく鮮やかな手業にお客様からは感嘆の声が上がっていました。「筆で塗る」とはまた異なる「濃む」ことの難しさを実感していただけたかと思います。
濃部分には、この後、掻き落としを行いました。デザインカッターで濃部分を削ることで、白抜きの文様をつけることができます。花や幾何学など、繊細に模様を彫り込んでいき完成です。今回は、濃までは、全員同じデザインの小皿でしたが、掻き落としによって、皆さま思い思いの作品に仕上げられていました。うつわは、この後、たなか氏により、施釉、本焼きを行う予定です。 参加された方からは「難しい“だみ”の体験によって、作家の方の技を知ることが出来ました」「絵付け、ろくろ体験はできる場所が多いですが、濃や掻き落としはなかなかできないので貴重な体験でした」「たなか先生のお人柄で大変楽しく体験することができました」などのお声をいただきました。



○自由閲覧(15:40~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『古伊万里植物図鑑展』をご覧いただきました。また、企画展担当学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。


【10/9追記】

 8/20に開催されました、月曜日・たのしいやきもの講座の作品が焼き上がりました。
今回の体験は素焼きの小皿に濃をし、さらにデザインカッターで掻き落として好きな文様をあらわすというもの。 ここでは当館職員が作成したものをご紹介いたします。

 
焼成前                焼成後

職員も焼き上がりを楽しみにしておりましたが、大変綺麗に仕上げていただきました。
さらに、会員様ご制作分は、専用の風呂敷に包んでのお渡しとなります。どうぞお楽しみに。

とぐりの学芸員講座を開催いたしました。(2018/5/7)


2018年5月7日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○堀内秀樹氏(東京大学埋蔵文化財調査室 准教授)による「東大出土の伊万里焼にみる 近世大名の所有する儀礼道具」 (14:00~15:40)
東京大学本郷構内は、江戸時代における加賀藩前田家の本郷邸跡であることで知られています。今回は、その東京大学本郷構内遺跡の発掘調査に30年以上携わっておられる、堀内秀樹氏を特別講師にお招きしました。当日は、当該遺跡から出土した伊万里焼を中心とした陶片をお持ちいただき、近世大名の儀礼道具の所有形態についてお話しいただきました。

前半は、藩邸の概要や近世都市江戸の特性をお話しいただいた上で、武家儀礼やその器についてご紹介いただきました。
江戸が徳川氏の拠点であり、また大名にとっても重要な拠点となっていたこと、そのため武士が多く居住し、偏った職業・人口構成となっていたことが示され、そこでは様々な武家儀礼が存在したことなど、丁寧なご説明をいただき、皆様深く頷きながら聞き入っておられるご様子でした。
また、今回は江戸遺跡の中でも大名屋敷、その内とくに「御殿空間」とそこで行われた様々な武家儀礼に着目。将軍が大名や臣下を訪問する「御成」、数々の人生儀礼、年中行事、法事などが繰り広げられ、そこでは「白、茶、宴」の三種の器が活躍したことをお話しいただきました。聞き慣れない言葉もわかりやすい解説をいただき、江戸の武家儀礼についての理解が深まる密度の濃いご講義でした。



休憩を挟み、後半は出土した遺物の実見に移りました。今回は、伊万里焼を中心に、鍋島焼、中国陶磁器など、コンテナ3箱分もお持ちいただきました。尺皿、揃いの組食器などを手にされたお客様からは、「陶片を手に取らせていただく機会はないので、貴重な経験をさせていただきました」「磁器片に触れて実感が沸いた」などのお声をお寄せいただきました。



さらに後半では、「陶器は一緒に出ているのか」「火事だけではなく地震による廃棄もあるのか」「他の年代の遺構から出土したものと違いは」などといった、お客様からのご質問も活発に寄せられました。その一つ一つに丁寧なお答えをいただき、充実の90分となりました。

○自由閲覧(15:40~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『金襴手―人々を虜にした伊万里焼―展』を自由にご覧いただきました。また、企画展担当学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2018/2/5)


2018年2月5日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○中国陶磁鑑賞会 (13:05~13:35)
第3回となる今回は「白磁 獅子鈕水注」をお披露目。学芸員が作品解説をしたのち、単体ケースを囲んで360度じっくりとご鑑賞いただきました。時代背景や釉薬の色についてはもちろん、同じ器形のものがどのように使用されていたのかを絵画資料を交えながら解説。多岐に渡る解説に皆様興味深く頷いていらっしゃいました。


「白磁 獅子鈕水注」 定窯 北宋時代(12世紀) 高21.8㎝

○望月優氏と学芸員の対談「現代の釉薬 私のこだわり」 (13:40~14:10)
今回はうつわに施されたガラス質の膜、釉薬の色による装飾に注目した展覧会ということで、2015年より当館1階やきもの展示室にて継続して個展を開催されている望月優氏を特別講師にお招きし、展覧会担当学芸員と「現代の磁器制作における釉薬」について対談いたしました。望月氏は、制作のなかで釉薬をご自身で作られることもあるとのこと。まず、学芸員が釉薬の仕組みを解説いたしました。その後、実際に望月氏が作られたテストピース(釉薬の様子をみるための試験片)を使いながら、釉薬を構成する成分の配合が違うことで焼き上がりにどのように差がでるのかなどをご説明いただきました。釉薬の調子は焼き上がってはじめてわかるということ、そのため何度も試し焼きをすることなど、制作者の理想の釉薬を作るための工夫や努力が垣間見えるお話もありました。皆様関心が高く、沢山の質問が飛び交うなかで、釉薬を作る際に使用する道具や、合成原料についてなど現代ならではの話題にも触れました。釉薬についてより理解を深められたことと思います。




○会員様による青磁染付(釉薬の掛け分け)体験 (14:25~15:30)
休憩を挟み、青磁染付の体験に移ります。今回は、直径12㎝程の素焼きの皿に染付で文様を描き、筆で透明釉を施し、その上に撥水剤を塗って、全面に青磁釉をかけるという作業工程の多い体験。まず望月氏に実演をしていただき、手順を確認しました。体験中は望月氏が制作のフォローをし、個性豊かな作品が仕上がっていきました。こちらは望月氏が最終修正と焼成を行い、2ヶ月ほどで、皆様のお手元へお戻しいたします。どのような焼き上がりになっているのか、今からとても楽しみですね。




○自由閲覧(15:30~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『古伊万里にみるうわぐすり展』を自由にご覧いただきました。また、学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2017/10/2)


2017年10月2日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○たなかふみえ氏による空中盆栽の実演、墨弾き・刷毛塗り体験 (13:05~14:30)
現在、当館1階やきもの展示室にて第4回目となる個展を開催中のたなかふみえ氏を特別講師にお招きし、空中盆栽の実演、墨弾きおよび刷毛塗りの体験を行いました。個展に出展された三足鉢、実は「空中盆栽」用に制作されたもの。「空中盆栽」とはその名の通り、鉢の上で浮遊する盆栽。本日は、空中盆栽を企画したグループ「星人」の平等様をゲストにお迎えし、たなかふみえ氏にうつわ制作を依頼した経緯などをお話いただきました。空中盆栽の実演では、実際に盆栽が浮かびあがり、ゆっくりと回転しはじめると、その不思議な光景を前に歓声が上がりました。
そして和やかな雰囲気の中、墨弾き体験に移ります。まず、たなかふみえ氏による絵付けと刷毛塗りの実演が行われました。呉須を塗り埋めるには筆で濃む方法もありますが、今回は折角の機会ということで、すじ車と呼ばれる回転台をご用意いただきました。
皆様、墨弾きの体験は初めてということで、呉須(ごす/染付用の絵具)とはまた異なる筆の感触に、四苦八苦されながらもオリジナルのデザインを表されていました。墨の絵付けが終わると、次は刷毛塗り。すじ車を使ってうつわを回転させながら、呉須を含ませた刷毛で見込を塗りつぶしていきました。少し引っかかるような素焼きの器面の感触に戸惑いながらも、塗り上げて無事に完成。うつわはたなか氏により、施釉、本焼きを行う予定です。



○中国陶磁鑑賞会 (14:40~15:00)
今回は開催中の『18世紀の古伊万里―逸品再発見Ⅱ―展』に合わせて、金襴手の水注を公開いたしました。伊万里焼の金彩が筆で塗る金泥であるのに対し、中国では金箔を貼りつける截金。残念ながら本作では金彩が擦れ落ちてしまっていましたが、技術の違いが金彩を施す箇所の選択にも表れていることなどを学芸員が解説いたしました。文様や上絵具の発色に至るまで、様々なご質問をいただきながら、じっくりとご鑑賞いただきました。


「五彩 瓔珞文 水注」景徳鎮窯 明代(16世紀中期) 高17.8cm

○自由閲覧(15:00~17:00)
今展の企画を担当した学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えいたしました。ほぼ貸し切り状態の展示室内で、お気に入りの「逸品」を写真に収めながら心ゆくまでご堪能いただけたことと思います。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催いたしました。(2017/7/10)


2017年7月10日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○望月優氏による講演および実演・上絵付け体験 (13:05~15:00)
現在、当館1階やきもの展示室にて第3回目となる個展を開催中の望月優氏を特別講師にお招きし、上絵付けについての講義と実演、上絵付け体験をいたしました。まずは望月氏から、上絵付けの歴史や伝統的な手描き以外の現代の絵付け技法についてレクチャーしていただきました。実際に絵付けが施されたうつわに触れながらのご説明で、皆様より理解を深められたことと思います。その後、望月氏に絵付けの実演をしていただきました。今回は絵具を摺るところから体験していただくとのことで、絵具作りからの実演となりました。普段なかなか見ることのできない絵具の準備や望月氏の筆運びに、皆様興味深く見入っていらっしゃいました。
そして、いよいよ上絵付け体験へと移ります。今回の体験では、望月氏によって事前に輪郭線が描かれた3種類の小皿からお好きな柄を選び、具濃(ぐだみ)をしていただきました。具濃とは輪郭線の中を、絵具を盛るように乗せながら塗り埋めること。使用する絵具を摺りはじめると、意外にも適当な水加減をつかむのが難しく、体験の冒頭から絵付けの難しさを感じた方もいらっしゃったことと思います。さらに、絵付けをはじめると、絵具を厚めにうつわの上に乗せていくという慣れない感覚に、皆様驚かれているご様子でした。ティッシュで拭き落とせば、何度でも描き直しができるため、満足のいく作品になるまで熱心に取り組まれていました。簡単なようで思い通りにいかないのが具濃の難しさでもあり、また、やりがいでもあります。体験を通じて作品製作の難しさや面白さを実感していただけたことと思います。
望月氏の親しみやすいお人柄からか、終始質問や談笑に溢れた楽しい特別講座となりました。



○中国陶磁鑑賞会 (15:20~15:40)
今年度より新たな試みとして中国陶磁鑑賞会を開催いたしました。第1回となる今回は「青花 山水文 芋頭水指」をお披露目。学芸員が作品解説をしたのち、単体ケースを囲んでじっくりご鑑賞いただきました。皆様関心が高く、作品の素地や製作された窯、使用用途や当時の時代背景など、作品を前にして沢山のご質問が飛び交いました。水指に描かれた山水文と漢詩を360度ぐるりとご覧いただき、作品の魅力に触れて頂けたことと思います。


「青花 山水文 芋頭水指」 景徳鎮窯 明代末期(17世紀前半) 高18.5㎝

○自由閲覧(15:40~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の『17世紀の古伊万里―逸品再発見Ⅰ―展』を自由にご覧いただきました。また、学芸員が展示室に常在し、皆様からのご質問にお答えしました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに。

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2016/12/12)


2016年12月12日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○西田宏子氏による講演「戸栗コレクションの伊万里焼」(14:05~16:00)
根津美術館顧問でいらっしゃる西田宏子氏を特別講師にお招きし、「戸栗コレクションの伊万里焼」をテーマに講演会を開催しました。西田氏は、今展(「戸栗コレクション1984・1985―revival―展」)の原点である「特別展 戸栗コレクション 有田の染付と色絵―伊万里・柿右衛門・鍋島」(渋谷区立松濤美術館/1984年11月~1985年1月)開催時の図録に、論文「戸栗コレクションにみる貿易陶磁」をご寄稿くださいました。
今回の講演では、まず、当館創設者 戸栗亨とのエピソードに始まり、ご自身が歩まれた研究者としてのご経験など、普段うかがえないような貴重なお話をご披露いただきました。また、スライドを交えながら伊万里焼が創生された17世紀初頭の日本国内の様相や各地の商人の働き、各消費地からの出土状況などを含めて、今展出展作品を中心にご紹介いただき、特に初期伊万里・古九谷様式・柿右衛門様式への編年がいかにして成立していったのか、研究史の歩みをわかりやすく解説していただきました。参加者の皆様が大きく関心を寄せていらっしゃったのは、都内の大名屋敷跡が発掘調査された際の裏話や、古九谷様式の中でも“青手”タイプの作風のルーツのお話など。次々に展開する興味深いお話を一言も逃さぬよう皆様夢中になって耳を傾けていたご様子で、非常に密度の濃い2時間となりました。



最後の質疑応答では、陶磁器に興味をお持ちになって間もないという参加者の方から、“作品を鑑賞する際のポイントや扱い方”についての質問があがりました。とにかく作品とじっくり向き合いよく見ること、そして、長い年月をかけて大切にされてきた作品たちは赤ん坊と同じ、優しく大切に触れること、といった西田氏からのお答えに参加者の多くが深く頷いておられ、作品に触れる機会の多い当館学芸員の心にも深く響くお言葉でした。今回は限られた時間ではありましたが、長年陶磁器の研究に携わってこられた西田氏の深い知識をご教授いただく濃密な時間をお過ごしいただきました。その言葉のひとつひとつから西田氏の陶磁器にかける愛情が伝わってくるような、あたたかな思いに包まれた会となりました。

○自由観覧 (16:10~17:00)
貸し切りの館内で現在開催中の「戸栗コレクション1984・1985―revival―展」をご覧いただきました。西田氏のご講演でご紹介いただいた名品を改めてじっくりとご鑑賞いただき、作品についての理解より深まったとのお言葉を頂戴しました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2016/8/8)


2016年8月8日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○望月優氏による講演および実演 (13:05~14:45)
現在、当館1階やきもの展示室にて第2回目となる個展を開催中の望月優氏を特別講師にお招きし、講演および実演を開催いたしました。まずは11種のうつわを皆様にご覧いただき、それぞれの文様が手描きで描かれているのか、あるいは転写が使用されているのかを当てるクイズから。皆様うつわを手に取りながら、大分悩まれたご様子で、正解が発表されると驚きの声があがっていました。正答とともに、銅版転写(下絵)、銅版転写(上絵)、イングレという3つの転写方法をご説明いただき、それらの実演も拝見することができました。



後半は、成形技法について、近代以降登場した「いまの技法」である鋳込みと、有田では江戸時代以来の伝統である「むかしの技法」、轆轤を対比させながら紹介。轆轤の実演は、土練りから土の上げ下げにはじまり、鶴首(口径が小さく、頸部が細長い形状)の瓶が、様々な種類の道具を使いながら形作られていきました。端々にうかがえるプロの技の美しさは、思わず感嘆のため息がもれてしまう程。さらには望月氏が前日からご用意くださったうつわを使って、石膏型を用いた型打ち技法や、大型の壺を2つのパーツからつくる胴継ぎの実演も行われました。盛りだくさんな内容の中、様々な質問や会話が終始飛び交い、望月氏の穏やかなお人柄がよくあらわれた充実した特別講座となりました。



○作品の実見 (14:55~15:40)
学芸員による作品の扱い方のレクチャー後、当館所蔵品から17世紀後半の輪花皿、18世紀前半と18世紀中期の長皿の3点をご覧いただきました。今回は、開催中の「古伊万里唐草―暮らしのうつわ―展」に合わせて、花唐草文と蛸唐草文の描かれたうつわをご用意しました。17世紀後半の花唐草の繊細な描き方、長皿2点の蛸唐草文の描き方の違いなどをお近くでご覧いただき、また、実際に手にとって触れたことで、重さや器壁の厚みの違いなどを実感された方も多くいらっしゃったようです。それぞれの文様の意味や成形方法についてもご質問をいただきました。


左から…実見中の様子/ 染付 鹿草花文 輪花皿 (17世紀後半)/ 染付 蛸唐草山水文 長皿(18世紀前半)/ 染付 蛸唐草唐花文 長皿(18世紀中期)

○展示解説 (15:50~16:30)
学芸員による展示解説を実施。「古伊万里唐草―暮らしのうつわ―展」について、普段の解説にはない詳しい装飾技法の考察や、展示に至るまでの裏話などをお話しさせていただきました。


月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2016/5/31)


2016年5月30日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○たなかふみえ氏による吹墨実演・ワークショップ (13:05~14:00)
現在、当館1階やきもの展示室にて第3回目となる個展を開催中のたなかふみえ氏を特別講師にお招きし、吹墨技法の実演とワークショップを開催致しました。今回、参加者の皆様にご体験いただいたのは、歯ブラシや網を使って簡単に吹墨状の点描をあらわす方法。まずはたなか氏の実演で、歯ブラシを弾く方法、金網に擦り付ける方法、顔料をつけた指を弾く方法などを拝見しました。皆様初めての体験を前にして少し緊張したご様子で、歯ブラシの向きや指の弾き方など細かな質問があがりました。しかし、いざ体験が始まってみると、素焼きの素地に染付顔料が染み込んでいく様子に感嘆の声が上がり、想像通りにいかない点描の表現に悪戦苦闘しながらも、それぞれの作品作りに熱心に取り組まれていました。ゆっくり繊細な点描を重ねた作品もあれば、器面全体に顔料を吹き付けた作品もあり、個性の光る力作が完成しました。(※作品のお渡しは6月19日(日)または7月2日(土)以降となります。)



○たなかふみえ氏による作品紹介 (14:00~14:30)
1階やきもの展示室にて開催中の個展出展作品2点をご紹介いただきました。蝙蝠や雪輪、蜘蛛の巣といった文様をとりいれる元となった作品のお話や、文様に込められた意味についての解説には参加者の皆様も大きく頷きながら聞き入っていらっしゃいました。また、今回体験した吹墨技法の他に墨弾きや濃(だみ)といった染付の技法について、江戸時代と現代との技法や材料の違いについてもお話しいただきました。たなか氏のご厚意により作品を手に取って拝見することができ、複雑に文様が入り組んだ作品の数々をどのように制作されたのか、技法や制作工程についても多くの質問があがりました。



○作品の実見 (14:40~15:10)
学芸員による作品の扱い方のレクチャー後、当館所蔵品から17世紀前期の初期伊万里の皿と、18世紀末から19世紀の作と考えられる向付(第2展示室出展)の2点をご覧いただきました。初期伊万里らしい器壁の厚みやフリモノ、小さな高台といった特徴を、実際に触れてみて初めて実感した、というお声や、現代のうつわにも負けないモダンな意匠や細い線描を間近にみて驚いた、といったお声が聞かれました。江戸後期の鉢は、濃や墨弾きの技法を駆使した作品。たなか氏も交え、線や濃の施し方から江戸時代の絵付け師の性格が垣間見える、といった作り手ならではの視点で興味深いお話をうかがいました。


(左)実見中の様子
(中央)染付 吹墨椿文 輪花皿 (17世紀前期) 
(右)染付 菊散文 八角向付(18世紀後半~19世紀初)

○展示解説 (15:20~16:00)
学芸員による展示解説を実施しました。「古伊万里―染付の美―展」のご紹介はもちろん、今回は少し趣向を変えて有田町からの出土陶片や伊万里焼の流通に関するお話なども加えさせていただきました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2016/3/7)


2016年3月7日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○中村公法氏による講演「鍋島焼の技術~線描きを中心に~」(13:05~13:35)
現在、当館1階やきもの展示室にて個展を開催中の中村公法氏を特別講師にお招きし、鍋島焼の線描きについてお話しいただきました。線描きについては、「今まで“企業秘密”にしていたので話すのは初めて」という中村氏。牡丹葉を例に取りながらの決まりごとについてのお話は非常に印象的で、アンケートでも「鍋島焼の見方が変わりました」とのお声を多数頂戴しました。 本講演では、出展中の作品に加え、20歳頃の作である大切な台鉢、さらには製作途中の青海波文皿も間近で披露。それらにまつわるエピソードから、氏の技術習得までの苦労や絵付けに対する姿勢まで窺える濃厚な時間となりました。



○中村公法氏による絵付けの実演と体験(13:35~14:10)
講演の後は、中村氏のご厚意でサプライズの絵付けの実演と体験を行いました。実演では、素地の上に手際良く引かれていく美しい線を、皆様食い入るように見つめていらっしゃいました。実際に筆をお持ちいただき、青海波文と牡丹葉を描いていただくと、「いい経験になりました」「いかに鍋島の職人集団の『技術の高さ』が驚嘆にあたいするものかを再認識しました」とのお声が。まとめとして、体験後には盛期鍋島の陶片をお手に取ってご覧いただきました。



○作品の実見(14:20~14:50)
学芸員による作品の扱い方のレクチャー後、当館所蔵の鍋島焼の中から17世紀後半に焼造された猪口と18世紀前半にかけて焼造された尺皿の2点をご覧いただきました。17世紀後半の猪口は、染付の濃や上絵の黄・緑のまわりに赤の輪郭線を用いる、この時代だけに見られる色合いが魅力。尺皿は葉の描き方もさることながら、手に持った際の重量感は、皆様感じ方が異なるようで盛り上がっていました。


(左)実見中の様子
(中央) 色絵 唐花文 猪口 鍋島
(右) 染付 牡丹文 皿 鍋島

○展示解説(15:00~15:45)
学芸員による展示解説を実施しました。通常の解説では中々触れられない近世考古学の話題を多めに盛り込みましたが、いかがでしたでしょうか。中村氏の講演の後でしたので、皆様植物文様の葉の描き方が特に気になっていらしたご様子。当日は特別に収蔵品の写真撮影も可能で、閉館まで撮影や観覧をお楽しみいただきました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2015/11/9)


2015年11月9日(月)、アートサークル会員様向けの特別企画「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○下絵付け(染付)体験(13:05~14:25)
現在、当館1階やきもの展示室にて個展を開催中のたなかふみえ氏を特別講師にお招きし、参加者の皆様に下絵付け(染付)を体験していただきました。図案はそれぞれ自由にお考えいただいたため、身近な草木をスケッチされた方、古伊万里の図案を参考にされた方、大胆に文字を記した方、現代風なオリジナル図案をご用意された方など、多種多様で皆様の個性があらわれていました。
絵付け体験が初めての方も多く、素焼き素地に筆を滑らすことの難しさ、筆先の当て具合で線の太さを調節する難しさなどを実感されていたご様子。参加者の皆様が描いた意匠をより際立たせるため、希望者のみ、たなか先生の手で口縁部分に圏線をひいていただきました。その他、濃染(だみぞめ)の実演もあり、たなか先生の魔法のような手さばきに感嘆の声が上がりました。



○たなかふみえ先生による作品紹介(14:25~14:45)
作品展の出展作品3点をご紹介いただきました。それぞれの意匠に込められた意味や由来などを楽しくうかがうことができました。中でも反響が大きかったのが、九州陶磁文化館所蔵品から着想を得て描いた蜘蛛の巣文様の蓋物。真ん丸の局面に端正に描かれた文様表現に驚きの声があがり、絵付けを体験された後だからこそ、より実感を持って、たなか先生の細やかな仕事ぶりに感心されたご様子でした。



○作品の実見(14:50~15:30)
学芸員による作品の扱い方のレクチャーの後、当館所蔵品の中から17世紀後半に製造された八角皿と17世紀末から18世紀初頭にかけて製造された古伊万里金襴手様式の鉢の2点を、実際にお手に取ってご覧いただきました。古伊万里金襴手様式の鉢は、手取りの軽さや、至近距離だからこそわかる金彩の剥落のほとんどない保存状態の良さなどに驚かれていました。また、描かれた意匠に込められた意味などについても質問が交わされました。


(左)実見中の様子
(中央) 染付 粟鶉文 八角皿 伊万里
(右) 色絵 鳳凰丸文 八角鉢 伊万里

○展示解説(15:40~16:30)
学芸員による展示解説を実施しました。通常の解説よりも、参考資料や学芸員の中での裏話なども交えて、少しマニアックな解説となりましたが、皆様お楽しみいただけましたでしょうか?月曜講座当日は、特別に収蔵品の写真撮影も可能となるため、皆様、お気に入りの作品を食い入るように撮影されていました。このように、作品と向き合う時間をゆっくりととれるのは、サークル会員様の貸し切りとなる月曜講座ならではの楽しみ方ですね。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2015/9/7)


2015年9月7日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○特別講座・実演(13:05~14:45)
 現在、当館1階やきもの展示室にて個展を開催中の作陶家・望月優氏をお招きし、特別講座・実演「中美(ちゅうび)の話/釉がけの実演」を開催いたしました。まずはご自身の作品のご紹介から。陶片を白磁のお皿につなげたデザインの「カケラシリーズ」に興味を持たれた方が多く、製作方法について質問が多数寄せられました。その後、「中美の話」へ。「中美」とは有田の職人言葉で、元々は色絵や呉須の濃淡、あるいは色が器に対して丁度良い状態であることを「中間の美」、「中美」と言い、今では「中美の色」「中美の仕事(いいあんばいの仕事)」といったように使われているそうです。持ち手の位置が異なるマグカップを持ち上げて手に馴染む位置を探したり、細口の瓶で手の入らない部分の厚さを叩いた時の音の高さで確かめたりと、体験を交えながら、職人の勘の世界を垣間見ることが出来ました。最後には釉がけの実演も行われ、素地に釉薬が染み込んでいく様子や、釉ムラをならす手技などに、皆様興味津々のご様子でした。


左:職人の勘の世界を丁寧に語る望月氏。
右:今回登場した道具の一部。手前は持ち手の高さが異なるマグカップ。


左:瓶の厚さを確かめるため、なんとその場で素地を割る場面も。
右:釉がけの実演中の様子。

○作品の実見(14:10~14:35)
 学芸員による作品の扱い方のレクチャーの後、当館所蔵品の中から17世紀中期の皿2点を実際にお手に取って、じっくりとご覧いただきました。触れていただくことで、陽刻の凹凸や、色絵顔料の中でも、赤のマットな質感とその他の色のつやのある質感の違いをより一層感じていただけた様子です。


実見中の様子


左:染付 花鳥文 皿 伊万里
右:色絵 人物文 皿 伊万里

○展示解説(14:45~15:30)
学芸員による展示解説を実施しました。また当日に限り、特別に作品の写真撮影も可能となるため、1点1点撮影しながら、ゆっくりと展示をご鑑賞いただくなど、思い思いの時間をお楽しみいただきました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2015/5/11)


2015年5月11日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

○特別講座(13:05~14:00)
 現在、当館1階やきもの展示室にて個展を開催中の陶芸家・塚本治彦氏をお招きし、ぐい呑作りのワークショップを開催いたしました。まずはやきもの展示室にて、塚本氏によるご自身の作品の解説。塚本氏は、志野や織部、朝鮮唐津など、幅広い作品を制作されており、それぞれの焼成工程や土の違いなどについてお話しいただきました。その後、特別講師として、塚本氏と当館とも親交の深い陶芸家・李康則氏も交えて、ぐい呑作りのワークショップを行いました。両氏の丁寧なアドバイスにより、個性際立つ作品ができあがりました。


左:ご自身の作品解説をされる塚本氏。
中央:ぐい呑作りの様子。
右:完成した作品は後日塚本氏によって焼成されます。

○作品の実見(14:10~14:35)
 学芸員による作品の扱い方のレクチャーの後、当館所蔵品の中から初期伊万里の皿2点を実際にお手に取って、じっくりとご覧いただきました。触れていただくことで、初期伊万里の特徴とも言える釉ムラや陶工の指跡、ふりもの、ピンホールなどによる器面の凹凸をより一層感じていただけた様子。


左:実見中の様子
中央:染付 吹墨梅花文 皿 伊万里
右:染付 葡萄蝶文 皿 伊万里

○展示解説(14:45~15:30)
学芸員による展示解説を実施しました。また当日に限り、特別に作品の写真撮影も可能となるため、1点1点撮影しながら、ゆっくりと展示をご鑑賞いただくなど、思い思いの時間をお楽しみいただきました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2015/2/9)


2015年2月9日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施致しました。

○特別講座(13:05~14:30)
 現在、当館1階やきもの展示室にてコレクション展を開催中のそば猪口コレクター・岸間健貪氏を講師にお招きし、特別講座『そばちょ考-そば猪口の文様の奥にあるもの-』を開催致しました。岸間氏は江戸時代のそば猪口の収集と研究をされており、2012年には著書「絵解き謎解き 江戸のそば猪口」を出版するなど、研究家としてもご活躍されています。今回はやきもの展示室でのコレクション展にちなみ、そば猪口の多彩な文様を作り出した江戸の文化についてのお話を中心に、都々逸や古川柳などに見られる江戸の人々の言葉遊び、江戸のそば猪口にあらわされた文様の読み解き方などをわかりやすくお話しいただきました。
また、岸間氏のコレクションの一部でもあるそば猪口5点を皆様にも手に取ってご覧いただきながら、器形や染付の発色などから見る制作年代の違いや、描かれた文様についても解説頂きました。



○作品の実見(14:40~15:10)
 学芸員による作品の扱い方についてのレクチャーの後、当館所蔵品の中から古伊万里金襴手様式の鉢と江戸後期の蓋付碗を実際に手に取り、じっくりとご鑑賞いただきました。江戸の暮らしの中ではどのように使用されていたのか、また現代なら何を盛りたいかということにまで話題が広がりました。


左:色絵 鳳凰丸文 八角鉢 伊万里 江戸時代(17世紀末~18世紀初) 口径13.6㎝
右:染付 栗文 蓋付碗 伊万里 江戸時代(18世紀末~19世紀初) 口径11.1㎝


○展示解説(15:20~16:20)
学芸員による展示解説を行いました。


月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日楽しいやきもの講座を開催致しました。(2014/11/17)


2014年11月17日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施致しました。

○特別講座(13:05~14:10)
 現在、当館1階やきもの展示室にて作品展を開催中の作家・森奈保美氏を講師に招き、特別講座を開催致しました。 森氏自身の作品に対する思いや絵付けへのこだわりをお話し頂きながら、参加者の皆様は緻密な手仕事から生み出される優美な作品の数々にうっとりとされていました。
今回は有田の窯元で明治伊万里復刻プロジェクトに参加された際に手掛けた「色絵竹文ディナーセット」の中から、ミート皿の絵付けを実演していただきました。
明治時代に作られたミート皿を見本に、非常に細い線とリズミカルなタッチで文様を描いていきます。参加者の皆様は食い入るようにご覧になり、絵付けの道具や描き方に関する多くの質問が終始飛び交い、賑やかな会となりました。また作品を完成させるまでの苦労話、特に当時と同じ赤の色を出すために、絵具の調合、窯の温度の調整が非常に難しかったことなど、様々なお話を伺うことが出来ました。



○作品の実見(14:20~15:00)
 当館所蔵品の中から古九谷様式と柿右衛門様式を1点ずつ、実際に手に取り、じっくりと鑑賞して頂きました。今回は秋にふさわしい石榴と紅葉の絵柄を選びました。どちらも非常に丁寧な作りで、小ぶりな可愛らしい作品です。


左:色絵 石榴文 皿 伊万里(古九谷様式) 江戸時代(17世紀中期)口径14.1cm
右:色絵 紅葉文 八角皿 伊万里(柿右衛門様式) 江戸時代(17世紀後半)口径13.4㎝


○展示解説(15:10~16:10)
学芸員による展示解説を行いました。
普段は館内撮影禁止ですが、この日に限り特別に撮影が出来ます。



月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日楽しいやきもの講座を開催致しました。(2014/8/19)


2014年8月19日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○特別講座(13:00~14:15)
 現在、当館1階やきもの展示室にて作品展を開催中の陶芸家・田渕哲朗氏を講師に招き、特別講座を開催。今回は、染付の顔料である呉須についてのお話を中心に、ご自身の作陶への想いや、手仕事の世界を志すきっかけなどをお話し頂きました。また、展示作品をお客様に実際に手に取って頂きながら、それぞれの制作方法についても解説して頂きました。
江戸時代の伊万里焼にも見られる絵付け技法の一種「墨弾き」と「吹墨」の実演では、道具や原料などの詳しいお話もうかがう事ができました。



○作品の実見(14:25~14:50)
 当館所蔵品の17世紀前期と18世紀後半の伊万里焼、2点の特別観覧。学芸員による作品の扱い方についてのレクチャーの後、それぞれうつわの厚みや重さ、染付の発色や描き方などの違いを比べながらご鑑賞いただきました。



左:染付 瀧文 皿 伊万里 江戸時代(17世紀前期) 口径18.5cm 
右:染付 鮎文 舟形皿 伊万里 江戸時代(18世紀後半) 口径18.6×12.2cm


○展示解説(15:00~15:45)
学芸員による展示解説を行いました。



月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日楽しいやきもの講座を開催致しました。(2014/5/19)


2014年5月19日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○特別講座(13:00~14:40)
 現在、当館1階やきもの展示室にて作品展を開催中の作陶家・たなかふみえ氏を講師に招き、特別講座を開催致しました。ご自身のルーツから、絵付師の仕事について、技法や道具についても沢山お話しいただき、ご自身の作品解説の際には、皆様からの様々な質問にもお答えいただきました。特に、江戸時代と現在での道具の違いや最新の顔料について、濃(だ)みの際の筆使いの違いなど、有田町で絵付師としてご活躍されているたなか氏ならではお話をうかがう事ができました。また、素焼きした状態の皿に和紙を用いて文様を写す作業から、染付による線描き、濃(だ)み、ぼかし濃みまで実演していただきました。繊細な文様に筆を滑らせる瞬間、たなか氏の集中力に圧倒されるように、職員含め参加者の皆様が息をのんで見守っていたのが印象的でした。



○作品の実見(14:50~15:20)
 当館所蔵品2点の特別観覧。初期伊万里と17世紀中期の伊万里焼、皿の厚さや高台の大きさなどを比べながらご鑑賞いただきました。引き続き、たなか氏にもご参加いただき、文様の描き方などの質問に話が弾みました。



左:染付 吹墨白兎文 皿 伊万里 江戸時代(17世紀前半) 口径19.5cm
右:染付 白鷺文 輪花皿 伊万里 江戸時代(17世紀中期) 口径21.1㎝


○展示解説(15:30~16:10)
学芸員による展示解説を行いました。


月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。
詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。
次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日楽しいやきもの講座を開催致しました。(2014/2/12)


2014年2月10日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。土曜日に降った雪の影響もほぼなくなり、ラウンジの窓からは暖かな日差しが差し込む、絶好の講座日和となりました。

○特別講座 1 (13:00~13:20)
 現在、当館1階やきもの展示室にてコレクション展を開催中の後期鍋島のコレクター・日和﨑三郎氏をお招きし、コレクションのきっかけや、お気に入りの作品などについてお話しいただきました。お客様の中には日和﨑様同様にやきものをお集めの方もいらっしゃったようで、蒐集の基準や真贋の見分け方などにも話題が広がりました。



○特別講座 2 (13:20~14:10)
当館の先代・当代の館長とご縁が深く、また日和﨑様とも親しくされている美術商・前坂晴天堂の前坂規之氏に骨董業界からみた鍋島焼についてご講演いただきました。鍋島焼とは、という基本事項から、現在の骨董業界の中での鍋島焼の位置づけ、その中で日和﨑コレクションの評価についてお話しいただきました。最後には、完全無欠と思われがちな鍋島焼にも、人間の手仕事ならではの描き損じなどが存在するというお話には、皆様大変驚かれ、大いに盛り上がりました。



○作品の実見(14:25~15:00)
 日和﨑コレクションのうちの8点、前坂様にお持ちいただいた盛期~中期鍋島4点、当館所蔵品2点の特別観覧。前坂様のお話の流れから、描き損じ部分探しや、焼成時にへたってしまった作品、同じ鍋島焼といえども手に持った時に感じる重みが異なることなどを体験していただきました。今回は日和﨑様、前坂様のご協力により、多くの作品を実際に手に取ってご覧いただくことができ、皆様大興奮の様子でした。

 
(左)引き続きご参加いただいた前坂様からレクチャーを受けながらの鑑賞。
(右)月曜講座の日だけは撮影もOK.(ただし撮影写真は私的利用の範囲内で)


 
(左)会員様どうしの交流も生まれるようです。
(右)鑑賞の最後は恒例の箱仕舞い体験。


○展示解説(15:05~16:00)

学芸員による展示解説を行いました。
お客様の中には、メモを取りながら真剣に聴講してくださる方も。


 月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を開催致しました。(2013/11/18)


2013年11月18日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○特別講座(13:00~14:20)
 現在、当館1階やきもの展示室にて作品展を開催中の作陶家・中川洋氏を講師に招き、特別講座を開催致しました。中川氏の作品解説から始まり、ご持参いただいた電動轆轤を用いて轆轤成形の実演、現在挑戦していらっしゃる転写シールを使った装飾技法など、制作の様子をご紹介いただきました。実演の際には、参加者の皆様から積極的に質問が飛び、磁器と陶器(半磁器)の制作工程の違いや普段使用されている道具類についてなど詳しくうかがう事ができました。



○作品の実見(14:35~15:15)
 当館所蔵品2点の特別観覧。実際に持って初めてわかる、釉薬が厚くかかった青磁作品ならではの重みを、じっくりと感じとっていただきました。引き続き中川氏にもご参加いただき、青磁染付の制作工程や、伊万里焼と鍋島焼の違いなどにも話が弾みました。





左:青磁 輪花皿 伊万里 江戸時代(17世紀末) 口径9.8cm
右:青磁 皿 鍋島 江戸時代(18世紀) 口径15.0㎝

○展示解説(15:15~16:00)
 学芸員による展示解説を行いました。


 月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を実施しました。(2013/8/19)


2013年8月19日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○特別講座(13:00~13:55)
 特別講師としてお招きしたのは、現在、当館1階やきもの展示室にて作品展を開催中の作陶家・浜野マユミ氏。佐賀県立有田窯業大学校での学生時代のお話、糸切成形技法との出会いのエピソードなどをお話しいただきました。その後は、糸切成形技法の実演。今回の1階やきもの展示室の作品展では、浜野さんのご厚意により、作品と併せて道具類も展示していただいておりますが、実際にそれらの道具を使って製作される工程を拝見できた事は、とても貴重な機会となりました。参加者全員、固唾をのんで見守り、1枚のお皿が出来た時はなんともいえない感動に包まれました。文章やイラストだけでは中々イメージのしにくい糸切成形の技法ですが、参加者の皆様からは、今回の講座を受講してより理解を深めることができた、との声を頂戴する事が出来ました。



○作品の実見(14:10~15:00)
 当館所蔵品2点の特別観覧。引き続き浜野氏もご参加くださり、様々な質問にお答えいただきました。参加者の皆様の中でも、実際に指で触って初めてわかる表面の凹凸など、それぞれのうつわの違いにお話が弾んだ様子。毎回恒例となっている最後に作品を箱にしまう作業も、希望者の皆様に担当していただきました。





左:染付 魚形皿 伊万里 江戸時代(17世紀中期) 口径16.4×13.1㎝
右:白磁 菊花形向付 伊万里 江戸時代(17世紀後半) 口径6.4㎝

○展示解説(15:05~15:45)
 学芸員による展示解説を行いました。


 月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を実施しました。(2013/5/20)


2013年5月20日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○ワークショップ(13:00~14:15)
 今回は、当館1階やきもの展示室にて作品展を開催中の中山泉先生を特別ゲストとしてお招きし、箸置き作りのワークショップを開催致しました。中山先生は各地で展覧会を開催するなどポーセレンアーティストしてご活躍されている一方で、山梨県甲府市にて陶芸スクール、クレアーレナカヤマ・ポーセレンアーティストクラブを主宰されています。
 ワークショップではご自身の制作についてのエピソードもお話頂きながら、磁器の原料である磁土を使って、バラをモチーフとしたオリジナルの箸置き制作をご指導頂きました。一見難しそうに見えるバラの成形ですが、中山先生のわかりやすく丁寧なご指導のおかげもあり、和気あいあいとした雰囲気の中、陶芸がはじめての方もみなさまそれぞれにすばらしい作品を作り上げておられました!
 鑑賞するだけではわからない、磁器の性質や制作工程など、実際に原料に触れ、体験することによって、より理解を深めていただけたことと思います。


○作品の実見(14:30~15:15)
 当館所蔵の古伊万里金襴手様式の作品2点を特別観覧いただきました。実際に作品に触れでみると、思っていたよりも軽い!というお声を多数いただきました。江戸時代にはどんな人が、どういう場面で、何を盛ったのかなど話が盛り上がりました。



○展示解説(15:30~16:30)
 学芸員による展示解説を行いました。

 今回は、これまでの特別講座とは違い、磁器制作体験という当館では初めてのワークショップを開催いたしました。今後も、みなさまに楽しんでいただけるような講座を企画したいと思っておりますので、ご意見等がございましたらお気軽にお申し付けくださいませ。

 月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。次回もどうぞお楽しみに!

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を実施しました。(2013/2/4)


2013年2月4日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○特別講座(13:00~14:35)
 特別ゲストとしてお招きしたのは、現在、当館1階やきもの資料室にて作品展を開催中の作陶家・阪井茂治氏。佐賀県大川内山での修行時代のエピソードをたくさんお話しいただきました。また、阪井氏のご厚意により、実際に制作で使用する轆轤のヘラ、絵付け用の筆、濃(だ)み染め用の太い筆などを特別にお持ちいただきました。濃み染めの筆の使い方の実演もあり、参加者全員が阪井氏の筆使いに釘付けになりました。実際に作品を制作されている作陶家・阪井氏ならではの講座内容で、参加者の皆様には、より鍋島焼についての理解を深めていただけた事と思います。

 

○作品の実見(14:45~15:30)
 盛期と後期、異なる時代の鍋島焼2点を手元で見比べながらじっくりとご覧いただきました。また、引き続き阪井氏もご参加くださり、参加者の皆様からの様々な質問にもお答えいただきました。毎回恒例となっている最後に作品を箱にしまう作業、今回も学芸員指導のもと、希望者の皆様に担当していただきました。




左:青磁染付 椿文 皿 鍋島 江戸時代(17世紀末~18世紀初) 口径14.7㎝
右:染付 桃ノ図文 皿 鍋島 江戸時代(19世紀) 口径33㎝

○展示解説(15:35~16:30)
 学芸員による展示解説を行いました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。次回もどうぞお楽しみに。

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を実施しました。(2012/10/29)


2012年10月29日(月) に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施しました。

○特別講座(13:00~14:00)
 講師に古美術店・井上オリエンタルアート店主の井上雄吉氏をお招きしました。井上氏と当館は創設者故戸栗亨(前館長)の時代から約40年のお付き合いがあり、多くの名品を納めていただいております。今回は、前館長と名品との出会いのエピソードなど、前館長の人柄や陶磁器にかけた情熱が感じられるお話を語っていただきました。また、世界のマーケットで活躍されている井上氏のお話には、参加者の皆様から質問が飛び交う場面もあり、特別講座ならではの貴重な機会となりました。
 最後には、井上氏のご協力により、景徳鎮窯の元青花の壺(個人蔵)、イギリスのR.H.R.パルマ―が収蔵していた清朝の輸出用五彩磁器、講座の前日に入手したというアルフレッド・クラーク夫人旧蔵の飛青磁の振り出しといった貴重な作品を間近で鑑賞する事ができました。



○作品の実見(14:15~15:00)
 当館所蔵品2点を、実際に手で触れながらご覧いただきました。はじめは皆様恐る恐るといった様子でしたが、次第に上絵の盛り上がりや、型で押された文様の線などを指でしっかりと触れて熱心に鑑賞されていました。染付の皿は同じ図柄のものが2枚あり、微妙な文様の違いを発見したりと、参加者の皆様の間で楽しくお話が弾んでいた様子でした。また、最後には学芸員指導の下、作品を箱にしまう作業も参加者の皆様に担当していただきました。




左:色絵 鶴文 角皿 伊万里(古九谷様式)17世紀中期 口径13.3×10.0㎝
右:染付 花鳥文 皿 伊万里 17世紀中期 口径20.2㎝

○展示解説(15:00~15:50)
 学芸員による展示解説を行いました。

月曜日・楽しいやきもの講座は、各展示につき1回開催しております。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせいたします。次回もどうぞお楽しみに。

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を実施しました。(2012/7/17)


2012年7月2日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしました。

〇特別講座 (13:00~14:00)
 講師に後藤真趣堂元店主の後藤恒雄氏をお迎えして、講演を行っていただきました。後藤氏とは、当館創設者・戸栗亨の代より親しくさせて頂いており、当館にも多くの作品を納めていただいています。今回は、戸栗美術館とのご縁や、作品納入の際のエピソード、古美術商としての仕事や体験談をお話しいただきました。穏やかな語り口の後藤氏に、参加いただいた皆様は聞き入っていらっしゃいました。
 また、後藤氏のご厚意で、景徳鎮窯の青白磁や高麗時代の青磁象嵌の鉢、初期伊万里の皿等の作品をお持ちいただきました。それらの作品についてご紹介いただくとともに、皆様にも手に取ってご覧いただきました。

 

〇作品の実見(14:15~15:45)
 まずは取扱いの注意点や見どころなどをお話しした後、後藤氏にお持ちいただいた作品のほか、当館所蔵の初期伊万里の皿と瓶を1点ずつ、お客様に実際にお手に取ってご覧いただきました。

特に、初期伊万里の手取りの重さに驚かれるお客様が多かったように思います。また、この時間は、講師の後藤氏や、いつも特別展示解説を担当している当館学芸顧問の森、学芸員や職員とお客様が交流できる時間でもあり、和気あいあいとやきもの談義で盛り上がりました。私たち学芸員もお客様の生の声をうかがい、大変勉強になりました。


左:染付 鳥文 皿 伊万里 17世紀前期 口径20.4cm
右:染付 菊文 瓶  伊万里 17世紀前期 高22.1cm

〇展示解説(15:00~16:10)
 学芸員による展示解説を行いました。貸切状態のため、他のお客様に気兼ねすることなく活発にご質問いただきました。

月曜・楽しいやきもの講座は、基本的に各展示に1回開催しています。詳細は、アートサークル会員様向けの会報「戸栗美術館だより」にてお知らせしています。次回もどうぞお楽しみに。

■アートサークル特典:月曜日・楽しいやきもの講座を実施しました。(2012/2/20)


2012年2月20日(月)に、アートサークル会員様向けの特別企画、「月曜日・楽しいやきもの講座」を実施いたしましたので、ご報告いたします。

〇特別講座「十干・十二支」(30分+質疑応答10分) 講師:李康則氏
現在開催中の企画展「祝福のうつわ―伊万里・鍋島名品撰―」の1Fやきもの資料室にて陶芸作品展を開催している李康則氏に講演をしていただきました。
ご自身がやきものを始めたきっかけから、今展示の為に特別にご制作頂いた作品のモチーフである四聖獣と干支についてのお話を伺いました。

講演の中では、制作中の失敗談などのエピソードなども交えながら、窯の中で歪んでしまった作品なども実際にご紹介くださいました。

〇作品の実見(約45分)
李康則氏の展示作品5点、焼き損じの作例2点のほか、当館所蔵の鍋島焼の染付皿と伊万里焼の色絵の鉢を1点ずつ、お客様に実際にお手に取ってご覧いただきました。

陶器と磁器、鍋島焼と伊万里焼の違いを、それぞれの作品の重さや質感、うつわ形や色の使い方など、実際に作品に触れることで身を持って感じて頂けたようです。みなさまとても熱心に、また興味深く作品をご覧になっていらっしゃいました。

〇展示解説(約60分)
今回も休館日の為、貸切状態の中じっくりと作品をご覧いただきながら、展示解説を行いました。

今回2回目の開催となりましたが、おかげさまで申込み受付開始後すぐに定員となり、当日はお客様にも大変ご満足いただけたようで、嬉しく思っております。
月曜・楽しいやきもの講座は次次回展「初期伊万里展―日本磁器のはじまり―」[6月10日(日)~9月23日(日)]から、各展示ごとに1回ずつの開催を予定しておりますので、是非ともご参加いただき、やきものを少しでも身近に感じていただければ幸いです。