| 2010年7月号 |
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「日本初の、蓋付き碗」 |
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夏らしい暑さになってまいりました。戸栗美術館では今月4日から、「古九谷展―伊万里色絵の誕生―」を開催します。(7月3日までは展示替えのため休館です。ご注意ください。) 古九谷と呼ばれてきたやきものの多くが伊万里焼だったという経緯については展示をご覧いただくとして、今回ご紹介するのはかわいらしい、小さな蓋付きの碗です。
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当館では5客で所蔵していますが、本来は10客、20客で揃っていたのでしょう。身と蓋は歪んでいてなかなか合いません。1300度以上の高温で焼くと、やきものは2割ほど縮みます。同じ窯の中でも場所によって温度が違うので、身と蓋がぴったりと合う作りにするには収縮率を同じにするために組み合わせた状態で窯に入れますが、そうすると釉薬が溶けてガラス化した時にくっついてしまいますから、合わせ目部分の釉薬は窯に入れる前に剥がしておかなければなりません。手間が掛かりますし、このような器形の場合、合わせ目が無釉では目立ちます。身は身だけ、蓋は蓋だけたくさん焼いて、後で組み合わせて出荷したので、大きさが合わないのです。それでも当時としては十分に高級で珍しい品物で、大名や公家、豪商などの富裕層しか手に入れることはできませんでした。 |
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