2012年度展示スケジュール

2012年度年間展示スケジュール
空欄

◆4月28日(土)~ 5月31日(木)  期間中:無休

開館25周年記念特別展 柿右衛門展


 戸栗美術館は、本年開館25周年を迎えます。それを記念して、「色絵磁器」の技術で重要無形文化財保持者(人間国宝)・14代酒井田柿右衛門氏の優品を一堂に展観するとともに、当館のコレクションの中心である伊万里焼の中から柿右衛門様式の色絵磁器を展示いたします。14代酒井田柿右衛門氏は、今年襲名30周年、さらには喜寿という祝いの年を迎えられています。
 佐賀県有田町周辺で誕生した日本初の国産磁器・伊万里焼は、1650年代末に大々的に始まった輸出事業によって急速に発展し、「濁手(にごしで)」と呼ばれる純白の磁肌に朱色を基調とした華麗な文様をもつ、精巧無比な「柿右衛門様式」を完成させました。この色絵磁器の完成には酒井田柿右衛門家が大きな役割を果たしたことが知られています。こうして作られた色絵磁器は、ヨーロッパで大変な人気を博し、伊万里焼の一時代を築きますが、輸出事業の縮小化や流行の変化に伴い、その製法は18世紀のうちに失われてしまいました。  「濁手」の製法は、昭和の時代になって12代・13代柿右衛門の尽力により復興されました。当代である14代はその技術を引き継ぐとともに、現代の生活に即したうつわの製作に取り組み、また山野の草花のデッサンを通して現代の日本の美を追求するなど、新たな「柿右衛門」を確立しています。
 江戸時代より現代まで連綿と受け継がれてきた伝統を継承し、失われた技術を復興させ、さらに時流に合わせ進化を続けている「柿右衛門」。その伝統と革新の美をご堪能ください。


◆6月10日(日) ~ 9月23日(日)
 休館日:月曜日(7/16・9/17(月祝)は開館、7/17・9/18(火)は休館。) 、展示替え期間

『初期伊万里展~日本磁器のはじまり~』


 日本における磁器の誕生は、豊臣秀吉の文禄・慶長の役(1592~98)に際し、出兵した大名が連れ帰った朝鮮人陶工によりもたらされた製磁技術をもとにしていると考えられています。1610年代に佐賀県有田町を中心とする肥前地方一帯で生産が始められ、伊万里港から日本各地へと搬出されたため「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。草創期から1640年代色絵磁器の誕生という技術革新が行われる以前の、染付を中心とした作品「初期伊万里」は、形にゆがみがあったり、素地や染付の発色が不安定などの技術的に未完成な部分を残しながらも、器面に力強くおおらかな筆致で描かれた文様からは、草創期らしい創作の喜びを感じ取ることができます。
 今展示では、窯跡より出土した陶片も併せて展示し、17世紀前半における初期の伊万里焼の全貌を探ります。


◆10月7日(日) ~ 12月24日(月祝)
 休館日:月曜日(10/8・12/24(月祝)は開館、10/9(火)は休館。)
 無料観覧日(創設者戸栗亨メモリアルデー):10/14(日)

『古九谷名品展 ~躍動する色絵磁器~』


 長年にわたり、加賀の九谷産説と佐賀の有田産説の間で産地論争が繰り広げられてきた「古九谷」。現在では、そのほとんどが17世紀中期の伊万里焼であるとされ、伊万里・古九谷様式の名でよばれています。それらは、中国磁器を目標に、幾何学文様を多用したり、中国絵画の画題を取り入れた作品が作られた一方で、同時代の小袖や打掛などと共通する文様も表され、和様の意匠への嗜好もうかがうことができます。特にモチーフを強調する大胆な構図、厚く盛り上げられた濃厚な色彩の上絵の具や、その下にびっしりと黒線で描き込まれた地文などは、作品に躍動感を与え、古九谷様式の最たる魅力となっています。
 今展示では、17世紀中期に肥前の有田で焼かれた、「古九谷様式」と呼ばれる伊万里焼をご紹介し、併せて2012年新収蔵品である青手の大皿「色絵 石畳文 皿」〔伊万里(古九谷様式) 17世紀中期 口径:43.9cm〕も特別出展いたします。


◆2013年1月6日(日)~3月24日(日)
  休館日:月曜日(1/14(月祝)は開館、1/15(火)は休館。)

『鍋島焼展 ~孤高の鍋島藩窯~』


 江戸時代、各領国の藩が経営にかかわった窯のことを「藩窯」と呼びますが、設立の目的や藩の介在の仕方、製品の特徴など、その実態はさまざまです。鍋島藩窯では、佐賀藩が陣頭指揮を取り、天皇家や将軍家への公的な献上や贈答のための磁器、鍋島焼が焼造されました。最盛期を迎えた元禄年間頃には、厳しい統制のもと、サイズや器形に規格が定められ、使用される色数も限定、様は洗練された構図に丁寧な筆致で描写され、「日本磁器の最高峰」と言わしめる格調高い磁器が作り上げられました。しかしながら、磁器の製法は秘法であったため、詳細な記録は残されておらず、成立時期から発展の経緯など未だ不鮮明な部分も多く残されています。
 今展示では、鍋島焼の名品を中心に、その表現と技術の粋をご覧いただくとともに、最新の窯跡や江戸遺跡の発掘状況をご紹介し、鍋島藩窯と鍋島焼の実態に迫ります。