2013年度展示スケジュール

2013年度年間展示スケジュール
空欄

◆4月7日(日)~ 6月23日(日)
休館日:月曜日(4/29・5/6(月祝)は開館、4/30・5/7(火)は休館。)

『古伊万里金襴手展―元禄のきらめき―』


 江戸初期の揺籃期を経て、幕府や諸藩の政治・経済の基盤が固まり、文化が発展した元禄時代(1688~1704)。それは経済力を蓄えた町人を中心とした奢侈逸楽の文化でした。贅を好む風潮の中で、伊万里焼にも絢爛豪華な様式、“古伊万里金襴手様式”が成立します。
 染付の青い文様をベースに、赤・黄・緑・紫・黒に加え、金をたっぷりと使った華やか古伊万里金襴手の鉢は“型物”と呼ばれ、高級食器として豪商たちの間で珍重されました。
 また17世紀後半以降、伊万里焼は重要な貿易品目でもありました。元禄頃には、ヨーロッパの王侯貴族の趣味を反映し、大型で華美な室内装飾用の瓶や壺が作られ、海を渡っていきました。
 今展示では、国内向けと海外向けという受容者によって大きく様相の異なる、2つの“古伊万里金襴手”を展観いたします。


◆7月6日(土)~ 9月23日(月祝)
 休館日:月曜日(7/15・9/16・9/23(月祝)は開館、7/16・9/17(火)は休館。)
 ※※9/16(月祝)敬老の日は、65歳以上の方は入館料無料。

『小さな伊万里焼展―小皿・猪口・向付―』


  日本人は、世界でも稀に見るほど「小さくかわいらしいもの」に特別な関心と愛着を寄せていると言われています。伊万里焼にも、小さくかわいらしいうつわが作られており、江戸時代の人々がうつわを愛で、食を楽しんだ様子を伺い知ることができます。
 特に板状にした粘土を型に押し当てて変形させる〈糸切り成形〉技法が発達した17世紀中期から後半ごろには、花や葉の形をはじめ、鳥や魚、蝶々、富士山、扇などさまざまな形をした、目にも楽しい変形小皿が多く作られました。また限られた小さなスペースを画面として、奥行きのある壮大な文様が描かれている作品もあります。
 今展示では、伊万里焼の小皿や猪口、向付など、小さなうつわの中に凝らされた趣向と工夫にご注目いただき、愛すべき小品の魅力をご堪能ください。


◆10月5日(土)~ 12月23日(月祝)
 休館日:月曜日(10/14・11/4・12/23(月祝)は開館、10/15・11/5(火)は休館。)
 ※※10/14(月祝)は創設者故戸栗亨メモリアルデーとし、終日入館料無料。

『館蔵 青磁名品展―翠・碧・青―』


 青緑色の美しい釉薬で覆われたうつわ「青磁」が完成したのは、後漢時代(AD25~220年)の中国においてです。青磁の生産は長い間、中国の独壇場でしたが、10世紀ごろになってその技術が朝鮮半島に伝わり、高麗青磁が誕生し、線刻や象嵌などの装飾を伴うものへと発展していきます。さらに朝鮮時代の15~16世紀頃には粉青沙器と呼ばれる青磁の技術をもとにした白いやきものも作られました。
 日本では朝鮮半島からの技術移入を経て、17世紀初頭に国産磁器・伊万里焼の生産が始まります。その中で青磁も作られるようになり、染付を組み合わせた日本独特の新しい装飾の青磁を生み出しました。そして伊万里焼の技法をもとに献上用へと昇華させて作られた鍋島焼において、日本の青磁は美の頂点を極めました。
 伊万里焼・鍋島焼の青磁を中心に、朝鮮半島の青磁も併せて展示いたします。同じ「青磁」でありながら、それぞれの作品で異なる色、そして青磁に映えるそれぞれの装飾にご注目ください。


◆2014年1月7日(火)~3月30日(日)
 休館日:月曜日(1/13(月祝)は開館、1/14(火)は休館。)
 ※※1/13(月祝)成人の日は、新成人は入館料無料。

『鍋島焼と図案帳展』


 江戸時代、佐賀藩において、藩直轄の窯で創出された献上用の磁器、鍋島焼。将軍家や幕府高官などへの献上・贈答を目的としたため、鍋島焼の形や文様、色彩について細かな規定がありました。それを裏付けるように、佐賀藩主鍋島家には、そのデザインを描いた「図案帳」が伝来しています。鍋島焼には、現代の私たちでもモダンに感じられるほど斬新なデザインが施されていますが、図案帳からもその卓抜したデザイン力を感じ取ることができます。さらに、図案帳の中には、デザインとともに年代や、サイズ、個数、送り先などが細かく記されているものがあることから、鍋島藩窯の発掘調査が進む以前では、鍋島焼の編年研究の主軸とされたほど貴重な史料でもあります。
 本展示では、鍋島焼に加え、図案帳についても併せてご紹介いたします。