2017年度展示スケジュール

2017年度年間展示スケジュール
空欄

◇2017年4月1日(土)~5月14日(日)

開館30周年記念特別展 柿右衛門展


 当館収蔵品の中心である伊万里焼は、17世紀初めに佐賀・有田で誕生した日本初の国産磁器です。17世紀中頃に急速に技術が発展し、なかでも赤絵の完成には柿右衛門窯が大きく関わっていることが知られています。特に「濁手(にごしで)」と呼ばれる乳白色で暖かみのある白磁に、華やかな赤の上絵具を主とした絵付けを施した「柿右衛門様式」と称される作品群は海外へ輸出され、ヨーロッパにおいて絶大な人気を誇りました。しかし、輸出事業の縮小に伴い、「濁手」素地の製法は18世紀のうちに失われてしまいます。
 失われてしまった「濁手」素地の製法を戦後に復興したのが、12代・13代柿右衛門氏でした。14代柿右衛門氏は先代達よりその技術を受け継ぎながら、写生に依った新しい感覚の作品を制作されました。2014年には15代が当代酒井田柿右衛門を襲名され、伝統を守りながらも現代に調和する作品を次々と制作されています。
 開館30周年記念特別展となる今展では、15代酒井田柿右衛門氏の新作をお披露目し、さらに、近現代の歴代柿右衛門氏の優品や、当館所蔵の江戸時代に作られた柿右衛門様式の作品を展示いたします。江戸時代に成立し現代においても技術を継承し続ける柿右衛門のすべてをお楽しみください。
<出展予定作品:色絵 梅竹粟鶉文 皿  伊万里(柿右衛門様式) 江戸時代(17世紀後半)口径15.1㎝>




◇2017年5月27日(土)~9月2日(土)

17世紀の古伊万里―逸品再発見Ⅰ―展


 「うつわを見る」時、皆様は何に注目されるでしょうか。何焼であるのか、何に使うものか、あるいは色や文様でしょうか。これらの他にも、やきものには実に多くの見所があるのです。同じ「古伊万里」でも、丸い皿もあれば四角い皿、花形の皿もあり、素地の白さも青味がかったものもあれば乳白色のものもあり、一様ではありません。こうした違いが何によって生まれているのか、一歩踏み込んで考えながら観察していると、ふと、うつわの新たな一面を発見できることがあります。その時、今まで目に留まることのなかった作品が、急に自分だけの「逸品」になるかもしれません。とくに今回取り上げる17世紀は、古伊万里にとっても誕生と技術革新によって、多様な作品が生み出された時代です。「かたち」や「素地の白」など15のテーマのもとに並んだ個性豊かな約80点を、じっくり観察しながら皆様のお気に入りの「逸品」を是非探してみてください。
<出展予定作品:色絵 菊花形皿  伊万里(古九谷様式) 江戸時代(17世紀中期)口径15.6×11.6㎝>





◇2017年9月15日(金)~12月20日(水)

18世紀の古伊万里―逸品再発見Ⅱ―展


 17世紀に誕生・技術革新を果たし、製造技術が頂点に達した伊万里焼。それらの名品の数々は大名など限られた人々が楽しむ高級品でした。続く18世紀は伊万里焼を使用する裾野が広がり、高級品から廉価品まで、使う人に合わせた幅広い製品が生み出された時代と言えるでしょう。
 たとえば、西欧の王侯貴族たちが室内装飾品として愛好したのは、より大型化された海外輸出用の瓶や壺。対して、元禄の好景気に沸いた日本国内において、富裕な町人層がハレの日に好んで用いたのは色絵と金彩が眩い金襴手の食器でした。また、食文化の発展に伴い、使い勝手の良い染付の皿や碗などの組食器を量産するなど、18世紀には時代の流行や使用者の嗜好に合わせて工夫を凝らし、様々な製品を生み出しました。その結果、伊万里焼はより多くの人々の暮らしに身近な存在となったのです。
 今展では高さ70㎝を超える大型壺から手のひらに収まる手塩皿まで、初出展を含む約80点を展示。それらの器形・意匠・装飾などを比較しながら、人々を惹きつけた18世紀の伊万里焼の多様な魅力を再発見します。
<出展予定作品:色絵 牡丹文 蓋付壺  伊万里 江戸時代(17世紀末~18世紀前半)通高70.5㎝>









◇2018年1月7日(日)~3月21日(水・祝)

古伊万里にみるうわぐすり展


 釉薬(うわぐすり)とはやきものの表面を覆うガラス質の膜のことを言い、「ゆうやく」とも呼ばれます。釉薬をかけることにより、うつわに耐久性・耐水性が付加されるだけでなく、焼成時に起こる化学反応によって生じる釉色や質感はうつわの装飾性を高めてくれます。
 江戸時代の伊万里焼では、主に透明釉、青磁釉(せいじゆう)、瑠璃釉(るりゆう)、銹釉(さびゆう)の4種の釉薬が使用され、それぞれの色や特性を生かした作品が作られました。絵付けを一切伴わず、釉薬の色と質感のみでうつわの造形を引き立てているものや、ひとつのうつわに複数の釉薬を施し、表情を豊かにしているものなど、その表現は様々です。
 今展では、うつわに施された釉薬に注目し、伊万里焼約80点をご紹介いたします。釉薬の種類や技術によって変化する作品それぞれの表情をご堪能下さい。
<出展予定作品:青磁 菊文 瓶  伊万里 江戸時代(17世紀前期)高20.5㎝>