古伊万里にみるうわぐすり展

■会期 2018年1月7日(日)~3月21日(水・祝)
■開館時間 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※毎週金曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日 月曜
※1月8日・2月12日(月・祝)は開館、1月9日・2月13日(火)は休館。
※毎月第4月曜(1月22日・2月26日)は展示室でお話ししながらご鑑賞いただけるフリートークデーとして開館。

 出展作品リスト


展覧会概要


釉薬(うわぐすり/ゆうやく)とはやきものの表面を覆うガラス質の膜のこと。釉薬は、焼成時に起こる化学反応によって色や質感といったうつわの装飾性を高め、さらに耐久性・耐水性を付加する役割も担っています。
 釉薬と一口に言っても、じつに様々ですが、江戸時代に肥前で主に使用されていたのは、透明釉、青磁釉(せいじゆう)、瑠璃釉(るりゆう)、銹釉(さびゆう)の4色。絵付けを一切伴わず、釉薬の色と質感のみでうつわの造形を引き立てているものや、ひとつのうつわに複数の釉薬を施したものなど、様々なやきものが作られました。うつわに掛かった釉薬の色は、うつわの性格を決定づける大事な要素のひとつと言えるでしょう。
 今展では、筆で描かれた文様ではなく、釉薬の色による装飾に注目し、伊万里焼を中心に約80点をご紹介いたします。種類や施釉方法、時代や焼成状況によって変化する、うつわひとつひとつの表情を、ご堪能下さい。



展覧会の見どころと主な出展作品


伊万里焼を彩る4色の釉薬

青磁瑠璃銹釉 鶴亀松竹梅文 三足皿
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
口径22.2㎝
戸栗美術館所蔵

釉薬にはじつに様々な種類のものがあり、発色や手に取った時の感触などうつわの魅力を語る上では欠かせない存在です。伊万里焼で主に見られるのは、透明釉、青磁釉(せいじゆう)、瑠璃釉(るりゆう)、銹釉(さびゆう)の4色。それぞれの特性を生かした表情豊かな伊万里焼が作られました。これら4色の釉薬に注目し、各色製作年順に並べて展示いたします。時代による色の変遷や同時期に作られたもの同士を比較しながらご覧ください。

単色釉の潔い美

瑠璃釉 瓢形瓶
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
高19.5㎝
戸栗美術館所蔵

伊万里焼には、器面に文様を描いたものや、ひとつのうつわに複数の釉薬を掛け分けたものなど、多様な装飾がみられます。様々な装飾表現がある中で、それらを一切伴わないものも。このような単一の釉薬のみを使用したタイプは色調の変化のみで、うつわに施された凹凸文様や、うつわそのものの造形を引き立てています。単一の釉薬を掛けた伊万里焼の品格のある美しさに注目してご鑑賞ください。



青磁の魅力を徹底追求

青磁 瓶
伊万里
江戸時代(17世紀前期)
高24.0㎝
戸栗美術館所蔵

青磁釉とは釉中の鉄分によって青緑色に発色する釉薬。そう一口に言っても、その色調は同時代に作られたものでも、深い青緑から黄味がかったものまで幅がみられます。今展では伊万里焼の青磁を時代順に並べて、そのヴァリエーションをご紹介いたします。



伊万里周辺で作られた青磁と中国の青磁

青磁 桔梗口双耳瓶
鍋島
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)
高28.1㎝
戸栗美術館所蔵

青磁瓶
龍泉窯
元時代(14世紀)
高27.6㎝
戸栗美術館所蔵

今展では伊万里焼の青磁のみならず、鍋島焼や波佐見焼など伊万里焼と近い産地で作られたものや、中国や高麗の青磁も展示。産地や時代によって変化する青磁の魅力をお楽しみください。




同時開催


第3展示室「磁器生誕から100年の変遷」

伊万里焼の創始期から元禄年間までの100年を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。


特別展示室「九州のやきもの 三川内焼」

三川内(長崎県佐世保市)は、伊万里焼生産の中心地である佐賀・有田に隣接する窯業地で、江戸時代は平戸藩領に含まれました。ここで焼造された磁器は「三川内焼」あるいは「平戸焼」と呼ばれています。伊万里焼の影響を受けながらも独自の発展を遂げた三川内焼の魅力をご紹介いたします。


1階やきもの展示室「陶片にみるうわぐすり展」

陶片の観察によって、どの窯でどんなものを作っていたかなどを知ることができます。伊万里焼や鍋島焼、中国陶磁の陶片を展示いたします。


会期中のイベント

■展示解説日程:
 第2・第4水曜 14時~ (1月10・24日、2月14・28日、3月14日)
 第2・第4土曜 11時~ (1月13・27日、2月10・24日、3月10日)
■フリートークデー
  毎月第4月曜日 (1月22日、2月26日) 10:00~17:00(入館受付は閉館30分前まで)
14時~ミニパネルレクチャーを開催(予約不要、入館券をお求めの上ご自由にご参加ください)
■とぐりの学芸員講座
 やきもの鑑賞をより楽しむためのポイントを当館学芸員がご紹介する講座です。
 2018年2月19日(月)14時~ 黒沢愛(GM/学芸員) 「古伊万里入門-陶片にみる歴史と魅力-」
 2018年3月12日(月)14時~ 小西麻美(学芸員) 「三川内焼―網代陶石採掘場跡地を訪ねて―」
 各回90分程度、参加費500円(入館料を別途お求め下さい。)先着35名様。
 お電話にてお申し込みください。(03-3465-0070)

●プレス・広報ご担当の方へ
展示予定作品の画像データ等ご用意しております。
取材は随時受け付けておりますので、下記の問い合わせ先へご連絡いただき、掲載媒体・取材内容についての企画書をお送りください。内容を検討し、追ってご連絡いたします。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『古伊万里にみるうわぐすり展』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813