鍋島と古九谷―意匠の系譜―展

■会期 2018年10月5日(金)~12月22日(土)
■開館時間 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※毎週金曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日 月曜
※10月8日(月・祝)は開館、10月9日(火)は休館。
※第4月曜(10月22日・11月26日)は、展示室でお話ししながらご鑑賞いただけるフリートークデーとして開館
■10月14日(日)は当館創設者 戸栗亨のメモリアルデーのため、無料観覧日となります。

 出展作品リスト


展覧会趣旨


古美術の世界で“日本の三大色絵磁器”のひとつとして、時代を超えて愛され続ける鍋島焼(なべしまやき)。その良質なコレクションで知られる戸栗美術館で、2年半振りに鍋島焼展を開催いたします。
戸栗美術館では過去にも鍋島焼展を開催してまいりましたが、今回は当館では初めての試みとして、同じく“日本の三大色絵磁器”に数えられる「古九谷(こくたに)」をはじめとした17世紀中期の伊万里焼(いまりやき)との意匠の繋がりに焦点を当てます。 初出展品を含む約80点を展観いたします。



主な出展作品


色鍋島の名品

色絵 三瓢文 皿
鍋島
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径20.5cm
戸栗美術館所蔵

見込に三つの瓢箪を描き、背景には墨弾き(すみはじき)と呼ばれる白抜きの技法で青海波文をあらわした皿。鐔縁状の口縁にも墨弾きによる規則正しい波濤文をめぐらせています。青・緑の瓢箪は塗りつぶしのムラもなく、職人の高い技術力がうかがえる鍋島焼の名品。


古九谷様式大皿の名品

色絵 瓜文 皿
伊万里(古九谷様式)
江戸時代(17世紀中期)
口径44.5cm
戸栗美術館所蔵

見込に細かい丸文と花文を並べ、黄彩を重ねて地文様とし、主題となる大振りの瓜を上絵の青と緑で鮮やかに描き出した大皿。周囲は流水文をめぐらせ、緑彩をのせています。上絵の発色も良好で、密に描きこんだ意匠や大胆な文様構成からも、古九谷様式大皿の名品と言えます。


この他、初出展作品を含む約80点展観いたします。

染付 樹下群鶏文 手鉢
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
口径21.8cm
戸栗美術館所蔵

≪初出展作品≫
染付 人参文 皿
鍋島
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径14.8cm
戸栗美術館所蔵

色絵 唐花文 八角猪口
鍋島
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
高6.8cm
戸栗美術館所蔵

展覧会詳細


古九谷様式の時代にあたる17世紀中期の佐賀・有田では、成形や絵付けなどの技術革新が進みました。そして生み出されたのは、大胆な配色と構図の色絵や、より鮮やかな発色となった染付、土型を駆使した薄造りの変形小皿など、器形や装飾、意匠も斬新な伊万里焼でした。しかし、17世紀後半に入ると、有田では次第に海外輸出に主眼を置くようになって様式が変化。むしろ、その気風を受け継いだのは、伊万里焼から分かれるようにして始まった、伊万里・大川内山(おおかわちやま)にて焼造される鍋島焼でした。佐賀鍋島藩による徳川将軍家への献上のために創出され、幕閣や大名などへの贈答品としても用いられたという鍋島焼は、有田から集められた優秀な職人たちによって製作され、高い品格と卓越した技術によって、現代においても日本磁器の最高峰と名高いやきものです。ただし、鍋島焼に用いられている成形や絵付けの技術、そして意匠は17世紀中期の有田に始まったものも多く、当時の技術革新を無くして、鍋島焼は成立しなかったと言っても過言ではないでしょう。鍋島焼と古九谷様式をはじめとした17世紀中期の伊万里焼、約80点によって繰り広げられる、美の競演をご堪能ください。




同時開催


第3展示室「磁器生誕から100年の変遷」

伊万里焼の創始期から元禄年間までの100年を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。


会期中のイベント

■通常展示解説日程:
第2・第4水曜 14:00~ (10月10・24日、11月14・28日、12月12日)
第2・第4土曜 11:00~ (10月13・27日、11月10・24日、12月8・22日)
10月14日(日)のメモリアルデーにも、11:00~と14:00~の2回、展示解説を行います。

■フリートークデー
 第4月曜日 (10月22日、11月26日) 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
14:00~ミニ展示解説を開催(予約不要。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください)。

■とぐりの学芸員講座
やきもの鑑賞をより楽しむためのポイントを当館学芸員がご紹介する講座です。
2018年10月29日(月)14:00~黒沢愛(GM/学芸員)「鍋島焼入門」
2018年12月 3日(月)14:00~黒沢愛(GM/学芸員)「伊万里焼と江戸の食文化」
所要時間90分程度、参加費1,000円(入館券を別途お求め下さい)。先着35名様。
お電話にてお申し込みください(03-3465-0070)。


●プレス・広報ご担当の方へ
展示予定作品の画像データ等ご用意しております。
取材は随時受け付けておりますので、下記の問い合わせ先へご連絡いただき、掲載媒体・取材内容についての企画書をお送りください。内容を検討し、追ってご連絡いたします。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『鍋島と古九谷―意匠の系譜―展』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813