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古伊万里の御道具―茶・華・香―展

■会期 2021年9月30日(木)~12月19日(日)
■入館料 一般1,200円/高大生700円/小中生400円

※会期等は予告なく変更となる場合がございます。
予めご了承くださいませ。


展覧会趣旨


古伊万里には食器が多数見られますが、水指や茶碗、菓子鉢、花器、香炉、香合など、少量ながら茶の湯やいけばな、お香のための道具も残されています。 造形も絵付けも趣向を凝らした古伊万里の優品、約80点を展示いたします。



主な出展作品


染付 楼閣山水葦雁文 水指
伊万里
江戸時代(17世紀前期)
高16.1㎝
戸栗美術館所蔵

水指(みずさし)とは、茶の湯において釜に補う水や、茶碗、茶筅などをすすぐ水を入れておくうつわです。白い磁肌に青色の絵付けが清涼感溢れる染付(そめつけ)では、17世紀前期に中国・景徳鎮(けいとくちん)民窯の作が珍重され、その影響が古伊万里の作風にも及びました。  本作は肉厚な器胎と山水文の主題が景徳鎮民窯の古染付(こそめつけ)を彷彿とさせます。胴部を一周する、濃淡と線描を駆使した雄渾な楼閣山水文や葦雁文が見どころ。発色も良く、山や楼閣、雁の群れなどを巧みな筆致で描き分けて表現しています。



青磁 魚形双耳瓶
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
高24.3㎝
戸栗美術館所蔵

室町時代、中国からもたらされる道具は「唐物(からもの)」として憧憬の眼差しを浴びました。そのうち、花器として珍重されたのは、古銅や中国・龍泉窯(りゅうせんよう)の砧青磁(きぬたせいじ)です。  数百年の時を経て、古伊万里ではその砧青磁に倣った瓶類が作られました。龍泉窯青磁の灰色あるいは褐色がかった土とは異なり、白い粘土から作られた古伊万里では、青磁の発色もより明朗な印象です。本歌に比べて胴部が小さく、口部がラッパ形に大きく開いた器形も、古典に学びつつ創意を求める姿勢が感じられます。



染付 孔雀形香合
伊万里
江戸時代(17世紀中期)
通高7.2㎝
戸栗美術館所蔵

香合とは、練香(ねりこう/香料を蜜などで固めたもの)や香木を納めておく蓋付きの容器のこと。茶の湯においても重要な道具のひとつで、陶磁器では小品ながら型を用いて繊細に動物や植物、器物を象ったものが多く見られます。  本作も孔雀の美しい尾羽や冠羽、足先まで再現した労作。上半部を開けると内面も調整の上、釉薬を施しており、細部まで作り込んであります。




同時開催


特別展示室「磁器誕生から100年の変遷」

創始期からの約100年間に作られた伊万里焼を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。


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展示予定作品の画像データ等ご用意しております。
取材は随時受け付けておりますので、下記の問い合わせ先へご連絡いただき、掲載媒体・取材内容についての企画書をお送りください。内容を検討し、追ってご連絡いたします。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『古伊万里の御道具―茶・華・香―展』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813