金襴手-人々を虜にした伊万里焼-展

■会期 2018年4月4日(水)~6月21日(木)
■開館時間 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※毎週金曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日 月曜
※4月30日(月・祝)は開館、5月1日(火)は休館。
※毎月第4月曜日(4/23 5/28)は展示室でお話ししながらご鑑賞頂けるフリートークデーとして開館。

 出展作品リスト


展覧会概要


江戸時代元禄年間には好景気を迎え、経済力を蓄えた町人を中心として元禄文化が発展します。贅を好む風潮の中で、色絵を施した豪奢なうつわを求める気運が高まりました。そうした需要に応えるように、ちょうどこの頃、伊万里焼に“古伊万里金襴手様式(こいまりきんらんでようしき)”が成立します。この色絵と金彩を施したうつわは、高級食器として富裕層の間で大変好まれ、以降、伊万里焼の色絵を代表するものとなります。また、同時期に海外輸出向けにも古伊万里金襴手様式の壺や皿が生産され、西欧の王侯貴族にも食器や室内装飾品として人気を博しました。
続く明治時代になると、それまで道具であった様々な工芸品が鑑賞品として評価されるようになります。食器であった伊万里焼にも鑑賞を目的に愛好し蒐集する外国人や日本人があらわれましたが、真っ先にその対象とされたのが古伊万里金襴手様式でした。
江戸時代の高級食器から、美術品へ。今展では、いつの時代も人々を虜にしてきた絢爛豪華な古伊万里金襴手を展観いたします。



展覧会の見どころと主な出展作品


名品揃い、70点の古伊万里金襴手の饗宴

色絵 荒磯文 鉢
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径24.7㎝
戸栗美術館所蔵

色絵 花鳳凰文 皿
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
口径54.1㎝
戸栗美術館所蔵

元禄期に作られた古伊万里金襴手様式の中でも最上級品とされるものは、型作りによって形が整っていることや、丁寧な作行きが一定の水準に達しているという意味から「型物(かたもの)」と呼ばれています。今展では、その型物を多数展示。また、旧重要美術品に登録されていた作品と同形同意匠の作品や初出展作品を含む約70点の多様な古伊万里金襴手を展示いたします。

美しいだけでない、古伊万里金襴手誕生の謎

色絵 石畳蔓草文 皿
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径22.6㎝
戸栗美術館所蔵

色絵 花卉文 輪花皿
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)
口径34.2㎝
戸栗美術館所蔵

古伊万里金襴手様式の中には、過去には「柿右衛門」と分類されていた一群があります。それらは、独特なデザインと丁寧な作行きから名工柿右衛門の作とも六代の叔父である渋右衛門の作とも言われてきました。そのため、近代においては、伊万里焼の中でも一段高い評価を得ていました。今ではそれらは、柿右衛門様式から古伊万里金襴手様式への過渡期のスタイルと考えられています。美しいだけでなく、伊万里焼の研究史に思惑の華を咲かせた古伊万里金襴手をご紹介いたします。


時代を超える古伊万里金襴手の魅力

色絵 雪輪亀甲文 桃形皿
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
口径21.2×20.2㎝
戸栗美術館所蔵

色絵 獅子牡丹菊梅文 蓋付壺
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)
通高74.6㎝
戸栗美術館所蔵

18世紀には、国内では高級食器、西欧では食器や室内装飾品として流行した古伊万里金襴手様式。これらは現在では、美術品として扱われています。伊万里焼が、使用するものから、鑑賞するものへと変化したのは、万国博覧会への参加や既に工芸品を鑑賞していた外国人らの影響を受けた明治時代以降のことです。時代が変わり、うつわの目的も変わり、それでもなお人々を惹きつけ続ける古伊万里金襴手様式。今展では、江戸時代から近代の古伊万里金襴手の人気を辿り、その魅力を探ります。




同時開催


第3展示室「磁器生誕から100年の変遷」

伊万里焼の創始期から元禄年間までの100年を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。


特別展示室「伊万里焼ができるまで」

伊万里焼の製造工程や江戸時代の陶工の姿などをご紹介いたします。


1階やきもの展示室「今昔有田紀行」

伊万里焼は、江戸時代初頭の有田(現在の佐賀県)で誕生しました。同地には江戸時代の窯跡が点在する一方、現在でも多数の窯元で伊万里焼(有田焼)が焼造されています。写真や陶片から、昔と今の有田をご紹介いたします。


会期中のイベント

■展示解説日程:
 第2・第4水曜 14時~ (4/11・4/25・5/9・5/23・6/13)
 第2・第4土曜 11時~ (4/14・4/28・5/12・5/26・6/9)
■フリートークデー
 毎月第4月曜日(4/23・5/28) 10:00~17:00(入館受付は閉館30分前まで)
 14時~ミニパネルレクチャーを開催(予約不要、入館券をお求めの上ご自由にご参加ください)
■とぐりの学芸員講座
 やきもの鑑賞をより楽しむためのポイントを当館学芸員がご紹介する講座です。
 2018年5月21日(月)14時~ 森由美(学芸顧問) 「白化粧土で装うやきもの」
 2018年6月11日(月)14時~ 黒沢愛(GM/学芸員) 「魅惑のやきもの、古九谷」
 各回90分程度、参加費1000円(入館料を別途お求め下さい。)先着35名様。
 お電話にてお申し込みください。(03-3465-0070)
■GW特別企画 やきもの展示解説 入門編
 5月2日(水)~6日(日)毎日14時~ (予約不要、入館券をお求めの上ご自由にご参加ください)
 ご参加頂いた方には当館特製パンフレットをプレゼントいたします。

●プレス・広報ご担当の方へ
展示予定作品の画像データ等ご用意しております。
取材は随時受け付けておりますので、下記の問い合わせ先へご連絡いただき、掲載媒体・取材内容についての企画書をお送りください。内容を検討し、追ってご連絡いたします。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『金襴手-人々を虜にした伊万里焼-展』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813