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現在開催中の展覧会



開館35周年記念特別展
古伊万里西方見聞録展

■会期:2022年7月29日(金)~11月6日(日)
■開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日:月曜日・火曜日
※9月19日(月・祝)・10月10日(月・祝)は開館。
■入館料:一般1,200円/高大生500円
※中学生以下は入館料無料。
※10月14日(金)はメモリアルデーのため入館料無料
※上記の内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承くださいませ。
 出展作品リスト
 ポスター


展覧会趣旨


 17世紀半ば、磁器大国である中国の大幅な輸出事業の縮小に後押しされる形で伊万里焼の海外輸出が始まります。当時の日本では、貿易相手国をオランダと中国のみに制限していました。二国の仲介を経て、まずは東南アジアへの輸出が始まります。次いで、オランダによる西欧への輸出は1659年以降に本格化。産地の有田では輸出先の注文に応え、海外輸出向けの磁器を製作します。長崎に運ばれた伊万里焼はオランダ東インド会社を通じて西欧に渡り、人気を博しました。実用のほか、室内装飾として王侯貴族の居城の一室に大量のうつわを飾るなどの熱狂的な愛好は、西欧での磁器窯の誕生にも影響を与えていきます。
 1684年以降、中国が輸出事業を再開すると、伊万里焼の輸出量は次第に減少していきます。オランダ東インド会社の衰退や東洋陶磁器の需要の低下などに伴い、1757年に同社の公式輸出記録は途絶えました。
 今展では初出展作品を交えつつ、輸出時代の古伊万里を中心に約80点を展観。東西文化の交錯した時代を古伊万里から紐解きます。



主な出展作品


◇古伊万里、海を渡る

 1610年代に誕生した日本初の国産磁器である伊万里焼。佐賀鍋島藩領の有田を中心とした地域で焼造され、近郊の伊万里の港から出荷され日本各地へ運ばれていきます。
 1644年、明から清への王朝交代に伴う混乱に伴い、これまで磁器の需要を担っていた中国の輸出事業が停滞。伊万里焼の海外輸出の時代が始まります。
染付 花籠文 皿
伊万里
江戸時代(17世紀後半)
口径35.2㎝
戸栗美術館所蔵

 本作は西欧への輸出品に多い芙蓉手(ふようで)タイプの大皿。芙蓉手とは、中国・明時代(1368~1644)末期の景徳鎮民窯で作られた、見込の周囲を区画割りした文様様式のこと。17世紀前半に西欧で好まれた意匠であり、伊万里焼でも模して製作されました。



◇古伊万里と西欧の暮らし

色絵 花文 皿
伊万里
江戸時代(18世紀前半)
口径28.4㎝
戸栗美術館所蔵

 広縁の一部を半月形に切り取った髭皿(ひげざら)と呼ばれる皿で、西欧で用いられた髭剃り用の金属器を模したもの。こうした西欧の暮らしに即した器形は輸出向けの伊万里焼にしばしば見られます。上方には孔が空けられており、紐が通った状態のものがオランダ・アムステルダムの出土品に確認できます。



色絵 鶏置物
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
高27.5㎝
戸栗美術館所蔵

 雄鶏の置物。写実的な嘴(くちばし)や脚、ふんわりとした羽根1枚1枚は陽刻で精緻にあらわされています。鶏冠(とさか)の赤色に加え、白い磁肌の上に赤・青・緑・黄・黒の上絵具で描かれた羽根が鮮やかです。同形品がイギリス・バーリーハウスコレクション所蔵として知られています。
 西欧の王侯貴族の居城では人形や瓶など様々な器種の磁器が室内を飾りました。
※バーリーハウス……エリザベス一世の寵臣であったウィリアム・セシル卿によって1587年に建造された居城。



色絵 獅子牡丹菊梅文 壺
伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)
通高74.6㎝
戸栗美術館所蔵

 沈香壺(じんこうつぼ)と呼ばれる形の壺。ふくよかな胴張りに高めの頸、鐔(つば)をつけた帽子のような大きな蓋が特徴です。西欧向けの輸出品としてつくられ、宮殿の広間などに飾られました。文様の異なる同形品が複数ありますが、本作は細部の丁寧な筆遣いや肩部分の均整のとれた区画割りの構図など、特に端整な仕上がりです。



初出展
色絵 花鳥文 杯・輪花皿
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
口径 杯6.5㎝ 皿10.6㎝


初出展
色絵 花鳥文 木瓜形水注
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
通高8.0㎝

 西欧に輸出されたものの中で圧倒的に多いのはカップアンドソーサーとして使用する杯と小皿でした。実用品ですが使用しない時であっても棚などに飾られました。



◇古伊万里とマイセン窯

初出展
色絵 葡萄栗鼠文 輪花皿
ドイツ・マイセン窯
江戸時代(18世紀前半)
口径23.0㎝

 マイセン窯は西欧でいち早く白磁磁器の焼成に成功した窯。東洋磁器の蒐集に熱心であったザクセン候アウグスト強王が錬金術師のベトガーに磁器の開発を命じました。科学者のチルンハウス伯爵らとともに研究し、1709年に白磁磁器が完成します。翌1710年にはマイセンのアルブレヒツブルクに王立磁器製作所の設立を宣言し、生産体制を整えていきました。1720年にウィーンから招聘された絵付師ヘロルトによって色絵の技術が確立され、中国の五彩磁器や古伊万里の模倣品が製作されました。1733年にアウグスト強王が歿した後、当時の流行を反映した文様が増え、西欧の磁器窯としての個性を確立していきます。
 今展では伊万里焼との影響関係を中心にご紹介いたします。



色絵 花鳥文 輪花皿
伊万里(柿右衛門様式)
江戸時代(17世紀後半)
口径22.0cm
戸栗美術館所蔵

 柿右衛門様式とは、1670年代に成立する海外輸出向けの色絵様式のこと。美しい濁手素地(にごしできじ)に、左右非対称の余白を活かした絵画的な構図が特徴。柿右衛門様式の伊万里焼は王侯貴族に愛好され、18世紀以降西欧の窯で模倣品が作られました。特に西欧で初めて白磁の焼成に成功したマイセン窯による、精巧な写しが知られています。本作は裏面にザクセン候アウグスト強王のコレクションであることを示すパレスナンバーが刻まれた貴重な作例。




同時開催


◇第3展示室「江戸時代の伊万里焼―誕生からの変遷―」

 江戸時代初頭に誕生した伊万里焼は、技術の発展や時代の変化に合わせて様式が移り変わっていきます。製作技術の発展や社会情勢の変化をご紹介しつつ、年代毎の様式の変遷を追いながら江戸時代の伊万里焼を通観いたします。


◇やきもの展示室「たなかふみえ作品展」

 2014年以降、戸栗美術館で継続して個展を開催しているたなかふみえ氏。第7回目となる今展では、古伊万里金襴手様式に取材した作品を展示いたします。たなかふみえ氏による柔らかな絵付けと華やかな文様の組み合わせをお楽しみください。






本展会期中の催し物のご案内


◇ラウンジトーク「古伊万里入門」

 1階ラウンジにて、スライドや陶片などを使って鍋島焼鑑賞のいろはをご紹介いたします。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください(予約不要)。
■8月13日(土) 10時15分~(約45分)
■先着20名様
■参加費無料


◇ラウンジトーク「『古伊万里西方見聞録展』の見どころ」

 1階ラウンジにて、スライドや陶片などを使って古伊万里鑑賞のいろはをご紹介いたします。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください(予約不要)。
■8月27日(土)・9月28日(水) 10時15分~(約45分)
■先着20名様
■参加費無料


◇ラウンジ&ギャラリートーク「戸栗美術館所蔵のマイセン磁器―伊万里焼との影響関係を中心に―」

 前半は1階ラウンジにてマイセンと伊万里焼との影響関係を、戸栗美術館収蔵品を中心にご紹介し、後半は2階展示室にて展覧会の展示解説を行います。
■10月24日(月) 14時00分~(約120分)
※終了後は17時00分までご観覧いただけます。
■先着20名様
■参加費 1,500円(税込)(入館券を別途お求めください。)
■要事前予約
※下記予約サイトからお申込みください(受付開始7月29日10時00分~)。
《ラウンジ&ギャラリートーク予約サイト》
https://airrsv.net/toguri-reserve/calendar/


◇戸栗美術館×東急百貨店 本店 連携企画「旅する古伊万里」

 東急百貨店 本店は地域再開発に伴い2023年1月にその歴史に幕を下ろします。戸栗美術館と東急百貨店 本店は、近隣の施設同士、これまでもいくつかの連携企画を開催してまいりました。 この度、最後の連携企画として「旅する古伊万里」を開催いたします。東から西へ、昔から今へ、産地から食卓へ。時を超え、場所を変え、今に伝わった古伊万里を、様々な視点からご堪能ください。
  《戸栗美術館×東急百貨店 本店 連携企画「旅する古伊万里」特設ページ》(6月頃公開予定)
   http://www.toguri-museum.or.jp/special/




●プレス・広報ご担当の方へ
プレスリリースに掲載の作品および展覧会ポスター画像データをご用意しております。また、メディア関係者の方のご取材を随時承っております。ご希望の方は下記までお問い合わせください。

●PDFファイルをダウンロードしてご覧いただけます。

  『開館35周年記念特別展 古伊万里西方見聞録展』プレスリリース
  写真借用申請書

【お問い合せ先:公益財団法人 戸栗美術館】
TEL:03-3465-0070
FAX:03-3467-9813